★2008年12月14日の記事を再掲

ブルース (角川文庫)帯の文句で北方謙三が「たまらんぜ萬月 何が悲しくてこんな小説を書く」という言葉を寄せてるけど、ほんとに結構切ないお話。

まさにブルースにおけるセブンスの音が、頭の中で鳴っている感覚になってくる。ブルースは暗い曲調のようで、明るい感じにも聴こえたりもするところもこのお話の感じに合っていて、このタイトルはベストマッチだと言ってもいい。

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結構男臭い内容なので、僕ら軟弱な男こそ読むべき本だと感じた。色んな思いを抱えたまま生きていく人間、生きていかなくてはならない人間の闇の部分が深くえぐり出されている。

社会の枠外でしか生きていけない人間の必死さに、自分達の生きている恵まれた環境のことを思いハッとさせれた。救いの無い話ではあるけど、すごく引き込まれる。何かしらの勢いのようなものが本書にあるのは確実。


ゴッド・ブレイス物語 (集英社文庫)冒頭の方でバンドのライブシーンがあるんだけど、この部分を読んだ時に、嘘じゃなく本当に鳥肌が立ったことを白状しておく。すごくリアル感があって興奮してしまった。こんな経験は過去にないだけに、驚きと共に花村萬月に対して畏敬の念を覚える。

全篇音楽の小説をもう一度書いて欲しいなぁ、デビュー作の「ゴッド・ブレイス物語」はライブシーンとかは良いんだけど、女性の一人称がどうも合わなくて…。


あと、セクスィなシーンはもうちょっと少なくてもいいんだよ? 純文学とかも書いている著者からしたらそういうのが当たり前になっている感じなんだろうか。エ○スとタナトスといった感じで、もうそういった一辺倒な感じからは脱却してもいいと思う。

それは全ての作家さんに言えることではあるけれど(偉そうなこと言ってすみません) とはいえ、そこを求めている萬月ファンもいるのだろうから、なかなか削ることは出来ないのだろうなぁ。その辺は編集者の方も思っているのかもしれない。







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