★2008年12月20日の記事を再掲

ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)評判がすこぶる良く、なにより帯の文言に「とにかく読んでもらいたい。まぎれもない、とてつもない傑作だ」と書かれているので、こりゃあ読まずにおられん、と思い読んだ。

急速に不景気の波が押し寄せていて、暗いニュースしか流れてこないこの年末にこの本を読んだのは、ちょっとしんどかったかもしれない…。

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読み始めると、僕ら読者もいきなりこの退廃してしまった世界に放り出されてしまい、右も左も解らない状態に陥る。これは現代の話なのか、未来の話なのか、まず時代が解らない。

どの程度文明が進んでいた世界だったかも解らない。これはこの国だけの問題なのか? 他の土地はどうなっているのか、そういったことも解らない。

はたまたこれは地球の話なのか? とも考えさせられるほど、全く状況説明は排除されている。先が全く見えてこない。どうなるのやら解らない。それにより余計にハラハラ感が募った。


ストーリー的には、南に向けて旅をし、その途中で家などを見付けたらそこで食料などを確保をし、時々様々なアクシデントを乗り越えながら旅を続けるということが繰り返される。ただそれだけのことなのだが、この父と子の物語には非常に引き付けられるものがある

未来は無いと自覚しつつも、息子がいるからこそ生きていける父親。子供心にも死と隣り合わせだと理解していて、なおかつ覚悟までしている息子。

二人は名前や外見描写など一切無いのだけど、すごいリアリティをもって頭の中で映像化されていく。特にこの息子の聞き分けの良さや父親想いのところなど、泣かせるところがある。ラストはほんと切ない気分になった。


本書は映画化されているとのこと。著者の作品「血と暴力の国」を映画化してアカデミー賞を受賞した「ノーカントリー」みたく、「ザ・ロード」もアカデミー賞候補になりそうな予感。









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