パンドラ、相田冬二
★2008年12月23日の記事を再掲

「パンドラ」はWOWOWで放送されていたドラマです。そのドラマがDVD化されたらしく、たまたまそれをテレビで紹介されていたのを見てめちゃくちゃ興味を持ってしまった。

それでもしかしたら原作の小説とかがあるのかな、と思ってネット検索してみたら原作は無くて、ドラマのノベライズ版があったので読んでみることにした(普段はノベライズなんて全く食指が動くことなんてないのに不思議なものだわ)

単刀直入に言って、最高に面白かった。この本を書いた人はライターさんみたいなんだけど、その辺の作家さんより断然上手い。ドラマの脚本を元にしているとはいえ表現力は抜群なんじゃないかなぁ。

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息もつかせぬ展開で、特に下巻のスピード感はスゴイ、止まりません。後半の主人公の変貌ぶりは、「白い巨塔」の財前教授を彷彿させるなぁと思ったら、この脚本を書いた人って「白い巨塔」のドラマ版の脚本家さんとのこと。その辺は、「え?」とか思っちゃったけど……(作風の影響を受け過ぎというか何というか)


でも、医療ミステリーとしては海堂尊の「チーム・バチスタの栄光」よりは面白いと思う、あくまでも個人的には。

(ま、海堂作品というのも、段々と内容よりもキャラありきという感じになっていったしね。ラノベと言われてしまうのも仕方がないように思う、なんとなく。彼の書棚に西尾維新の小説があったのは今でも記憶に新しい)




それにしても、利権になんとか絡もうと様々な人間が奸計を練ってくるさまは、ほんと恐ろしいというか人間の醜さがすごく現れてて背筋が凍る思いがした。まさに「偉大な発見は、それが偉大であればあるほど、人々を混乱させる」という本書内の言葉に尽きる。奇跡の薬は争いを生み出すジョーカーなわけだ。

純粋に、癌のない幸福な世界にしたいと思っていても、周りがそうはさしてくれない。終いには「神になったつもりか?」などと言われてしまう。非常に複雑な問題を抱えていて、深い物語だった。政治やジャーナリズムの在り方も考えさせられる。

リアルのことを鑑みても、利権のことを思えば「奇跡の薬」なんてものを世に出すのは大変なことなのだろうなと想像に難くない。あんまり国内の医療関係者、科学者等をないがしろにしていると、海外に研究ごと持って出て行ってしまう可能性もあるわけだし、国が率先して支援してあげるべきだと思わずにはいられないね。


あぁ~ドラマも見たくなってしまった。三上博史主演ってのも良い。そのうち見よっと。


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