★2008年12月26日の記事を再掲

パレード (幻冬舎文庫)初の吉田修一体験でした。ハルキチルドレンということらしく、へぇ~そうなんだ、と若干距離を置いていたけど読んでみた。

いったいどの辺がハルキチルドレンと言われる由縁なのか解らなかったけど(←いや、なんとなくは解るよ、皆が言わんとしてることは)、そういう冠のようなものがなくても面白かったと思う。多少、この一人称がクドく感じたけどね。まあ、それも読んでると慣れちゃうけども。

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なんなんだろう、この読後感は。ラストは衝撃ではあるんだけど、納得する部分がある。解説の川上弘美さんはしきりに“こわい”と発してらっしゃるが、人生こんなもんです。必ず周りで起こりえているはず。

本書の登場人物が周りにあまり干渉せず、丁度良い距離感を保っているのも当たり前のこと。誰だって周りにそれを要求している。干渉した時点で巻き込まれてしまうのは目に見えているので、めんどうが嫌ならほっておく。それが常識だよね。それはどんなコミュニティでも一緒でしょう。

いまや家族間であっても、見たくない部分は見ないようにしてるんじゃないかなぁ。扉1枚隔てた先は闇。そして、当たり前の中にある怖さというのを描いているんだけど、それがほんとに当たり前のように日常に溶け込んでいるのを、見事に描いているというのがスゴイとしか言いようがない。


本書は、章ごとに五人それぞれの一人称で語られていて、その一人称の語り口に五人それぞれの性格がよく現れている(当たり前ではあるけれど) その一人称の時に、その人物の“地の部分”が出てくるので、周りの人間から見られている性格とは違ったりするのが驚きとともに面白く感じた。

やっぱり接する相手によって、自分を演じ分けるよね。人によっては、様々なコミュニティによって沢山演じてることでしょう。なんだか、現代の人生に於ける虚無的なものを見た気がする…。







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