★2009年1月1日の記事を再掲
本書の事をよく知らずに読み始めたんだけど、思いっきり恋愛小説ですな、これは。女性の一人称もちょっとこそばゆかったものだ、でもすぐに慣れたけれど。序盤は日常がダラダラと語られてテンポが悪く感じる。
ちょっと万年筆の話が長くないか? これじゃあさすがの僕でも万年筆が欲しくなちゃうじゃんと思ったけど、文章にユーモアがあって、くすっと笑えるところもあるし割と読ませてくれる。
なかなかボキャブラリーのある作家さんな気がするね。中盤からは話がいろいろと展開していって読みやすくなってるから問題なし。
正直、先の展開が読めてしまう王道的なストーリーなんだけど、とにかく主人公のキャラクターが良かった、素晴らしい。
人の恋の話に、純粋に相手に対して“良かったね”と言えて、なおかつ“自分まで幸せな気分になる”と言えちゃうだなんて、なんて良い子なんだろう。惚れてまうやろーー! 不覚にもラストはウルッときちゃったし、あとがきとも合わせ技で。ほんと、こんな女性どこかにいないかなぁ~w
何というか、人の日記を盗み見るというのは、えも言われぬ魅力があるものだ、言わずもがな。今ではその欲求は人のブログを読むという形で満たすことができるけれど、よくよく考えたらブログって結構人に見せる用の文章だったりするんだよね(ネットに公開される前提である以上、当然意識していることでしょう。アクセスなども気にしたり云々)
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SNSに関しては、あれはなんと形容したものか……。取り留めのない“つぶやき”のように見えて、やっぱり人に見せる用の文章なのが大半なのだろうね。承認欲求というよりも、いかに自分はリアルが充実しているかという見栄を張りたい人間が使っている印象。本当にリアルが充実しているかは、本人のみぞ知るわけだが。。
そういえば、本書って映画にもなってるんだったね、確か。沢尻エリカ主演という時点で、ちょっと見る気はしないけども……。しかしながら、昔の沢尻さんならイメージ的に合ってたりするのかなぁ? それでも今のイメージが頭の中にちらついて離れないから、同じ事ではあるけどね。
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雫井 脩介
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