★2009年1月22日の記事を再掲

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)結構話の展開が早くてテンポがいいなぁと思ったら、連作短編だったんだね。第二章にいった時気付いた。便利屋という物語内でほとんど縛りも無く自由に動かせる人物を主人公に据えたんだから、当然読む方はそれなりに期待するんだけど、正直読んでてワクワク感のようなものは一切無かったなぁ。

便利屋を主人公にしちゃうと、自由度が高すぎてどうしたってハードルが高くなるでしょう。便利屋だからといって、「失踪した犬の飼い主を探す」「犬を飼ってくれる人を探す」「小学生の塾の送り迎えをする」みたいな他愛の無いものを読みたいとは思わないもんねぇ。

第4章以降は多少趣が変わってきて、ちょっぴりシリアス路線な展開にはなっていくけども。

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直木賞受賞当初も読者から、なぜこれが? と言われたりもしてたと思うけど、今回僕も読んでみてそう思わざる得なかった。何が他作品よりも突出していたんだろう、選評が読んでみたいなぁ。

でも、キャラクターは良かった。皆ユーモアがあったし、ちゃんとキャラが立ってたしね。特に行天は良いキャラしてた。ジャージのズボンをマフラー代わりにするという発想は凄いですw 

それにちょっと破天荒な人間なくせに、たまにボソッと格言的な良い事を言うところがツボだった。人物造形は上手いね。


ところで、まほろ市ってほんとに東京にあるのかと最初思ってしまったんだけど違うんだね。お恥ずかしい。幻(まぼろし)を都市名にしたわけだ。

Wikipediaによると、ユートピアと同じく「どこにも存在しない場所」の意味を持つらしい。本書以外にも、まほろ市を舞台にした小説があるとのこと。以下がそれ。


まほろ市の殺人 春―無節操な死人 (祥伝社文庫)
まほろ市の殺人 夏―夏に散る花 (祥伝社文庫)
まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事 (祥伝社文庫)
まほろ市の殺人 冬―蜃気楼に手を振る (祥伝社文庫)


幻想都市の四季シリーズ、という推理小説らしいんだけど、三浦しをんはこれらから“まほろ市”という舞台を借りてきたんだろうなぁ。こういった舞台にインスパイアされて小説を書くっていうのもなんか良いね。違ってたら申し訳ないけど。






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