★2009年3月1日の記事を再掲

風の影〈上〉 (集英社文庫)ミステリー、サスペンス、ロマンス、ほんの少しファンタジー? な感じで、ワクワクする要素がてんこ盛り状態。

伏線なんかも張りまくりで、後半一気に謎が回収されるところなんて物凄くカタルシスを得られる。素直に面白かった。個人的には、休憩の入れどころがわからないほどの一気読みです。

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なまえのないかいぶつ―MONSTER完全版〈別巻〉 (ビッグコミックススペシャル)過去と現在の人間関係や出来事などが複雑に絡み合っていて、後半に行くほど「そうだったのかぁ、へぇ~」と逐一感嘆しながら読んだ。

それでもって、「風の影」という本とその著者の謎を追ったりしているところなんかは、ちょっとだけ浦沢直樹の「MONSTER」をイメージさせる。本書に登場する適役のフメロは、ヨハンとルンゲを多少彷彿させるしね。フォルトゥニーという人物が出てきたりもするので、余計に連想させられてしまった。


物語の展開が割りと緊張感がある中で、フェルミンというキャラクターがすごくホッとさせてくれる役割を担ってるね。インテリでユーモアがあり、尚且つとぼけた感じ。良いキャラしてます。彼がいないと、全体的に重いだけの物語になってたかもなぁ。

フェルミンというキャラもそうなんだけど、本書に登場する男性達はみんな、口を開けば女性のことを多く語っているのも気になった。スペインというお国柄がそうさせるのかなぁ? やっぱりラテン系だからねぇ。主人公も女性に惚れっぽい性格してるし。


本書のメインは“本”をめぐって展開するわけだけど、本好きにとって興味深い言及があった

本は鏡とおなじだよ。自分の心のなかにあるものは、本を読まなきゃ見えない。


深いね。全てがそうだとは思わないけど一理ある。確かに本を読んだりして、言葉を覚えて語彙を増やしていかないと、自分の気持ちを思うように表現しきれないだろうしね。

自分の感情をそのまま言葉にすることも困難だろう。言葉を知らないと、ほんとは複雑な気持ちなのに、簡単な言葉に置き換えざるを得ないことになるわけだ。言葉って一番身近な表現方法ではあるけど、もどかしくもあるね…。


この物語はサスペンスでありロマンスでもあるんだけど、なにより父と子の物語としても素晴らしい作品に感じた。わずかな繋がりでも大事にしたいという気持ちが伝わってきたように思う。うん、良いエンタメしてました。

あっ、そういえば「忘れられた本の墓場」って結局いったいどういう場所だったんだろうか? ここだけファンタジックな雰囲気なんだよね、謎だ。






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