★2009年3月2日の記事を再掲
文庫になったのを機に読んでみた(文庫と言っても新書サイズよりもちょっと大きいけど)
少年文庫と銘打ってあるんだけど、結構中学生くらいの子には難しいだろうなと思える言葉も多々出てくる感じだね。まあ辞書を引きながら読むにはちょうど良いレベルかもしれない。
いやぁ~まさにファンタジーだ。魔法学校に入学するってところなんて王道だね。魔法学校となるとどうしても思い出すのがハリーポッターだけど、やっぱり影響を受けてるのかなぁ。
まあハリポタだけでなく、色んな小説、マンガ、ゲームが参考したんだろうなと思しき展開が色々と出てくる。「あ、これ何かで読んだことあるかも」と、色々と回顧しながら読み進めた。
子供の頃のゲドは対抗意識がすごくて、自信過剰で、自惚れ具合も素晴らしい。かなり性格が悪くみえる。それが大人になるにつれ挫折を知るなどして、良識ある人間になり魔法の能力にも優れた人物に成長していく。本書はゲド自身の成長小説というわけだ。
本書の世界では、魔法使いが職業として成り立っている。それは大抵のファンタジーでは当たり前かもしれないけど、この世界では様々な都市や島などに派遣されるなど赴任地があったりするのがポイント。
赴任地とか聞くと、なんか僕らの世界で言う警察みたいな扱いなのかなとも感じたりして、ちょっとだけ親しみやすさを感じない事もないね。
それから本書の世界の魔法は、RPGでいうところのMP(魔力)とHP(体力)が同義であるらしい。激しい魔法なんかを使ってしまうと、体力をかなり消耗してしまうのだ。
RPGのようにMPが無くなったら、後はHPが許す限り物理攻撃をすれば良いということにはならないらしい。まあそうしないと、リアリティもなにも無くなっちゃうしね。でもファンタジーにリアリティを求めるのもあれだけど…。
それにしても基本的に主人公のゲドは運が相当良い。心身ともにボロボロになっても必ず助かるんだよね(助けが入る)。ご都合主義と言ってしまえばそれまでだけど、それでも十分楽しめました。
サクっと読めるし続きが気になった。2巻も読もうっと。あと、去年テレビでジブリの映画版をやったのを録画したままでまだ観てないので、それも観なければ(評価はよろしくないが、原作の内容を頭で補完すれば問題なさそう)
影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)
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