★2009年3月22日の記事を再掲


はてな」にこんな質問が立っていたので、自分もちょっと勝手に考えてみることにした。


【初心者に薦められる小説】 最近よく「どういう本がおすすめ?」と聞かれるので、初心者でも楽しめる小説10冊を考えることにしました。どんな人でも、この10冊のうちだったら最低でも1冊には感動する! または面白い! と感じる10冊を選びたいと思います。


初心者と括られると、結構選別が難しいなぁ。まあとりあえず以下が僕が選んだ作品です。

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【コメディ】

イン・ザ・プール(奥田英朗)

イン・ザ・プール (文春文庫)まずは短編から読み始めるのが良いかと思い本書をチョイス。お笑いの要素が入っているし、さくっと読めて悪くないんじゃないかなぁ。個人的には物足りなかったりするんだけど…。

内容は精神科医の伊良部先生の元に、プール依存症など色んな症状を抱えた患者が訪れてドタバタ劇が始まるという感じ。この伊良部先生がまた良いキャラしてるんだよね。本書の続きである空中ブランコ (文春文庫)で、著者の奥田さんは直木賞を取りました。正直、信じられないけどw


鴨川ホルモー(万城目 学)

鴨川ホルモー (角川文庫)これは結構笑えると思う。男性一人称なんだけど、ユーモアに溢れてて良いです。よくこんなアイディアが浮かんだよなぁと賞賛したい。“サムシング”という言葉は心に残るねw

京大卒作家で舞台が京都ということもあり、よく森見登美彦と比較されがちだけど、僕は断然万城目さんを推すなぁ。内容をちょっとでも書いちゃうと「ホルモー」がどういったものなのか解っちゃうので、気になった方は本書を手にとってご確認をば。


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【ミステリー】

S&Mシリーズ(森博嗣)

すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)ミステリー初心者には、すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER (講談社文庫)から始まる一連のシリーズがオススメかも。巷では理系ミステリーとか呼ばれてたりするけど、特別難しいこともなくすごく読みやすい。どっぷりミステリーに浸かっている人には薄く感じちゃうと思うので、初心者にこそ読んでもらいたい作品だろうね。

内容は、犀川助教授とその教え子・萌絵が色んな不可思議な密室殺人の謎を解き明かしていくという、本格ミステリー。ファンの多い作品だし、登場人物もしっかりキャラが立ってるので面白く読めると思う。


重力ピエロ(伊坂幸太郎)

重力ピエロ (新潮文庫)やっぱりこの売れっ子作家も紹介せねばいかんだろうということで本書をチョイス。映画公開も控えているようなので、今読んでおくのも良いかもね。個人的に伊坂作品の中では一番好きな作品。彼は春樹チルドレンとか呼ばれたりもしているけど、本書が一番村上春樹テイストが強いような気がしなくもないね。結構ワンセンテンスが短いから、すごく読みやすいと思う。

内容は、異父兄弟の物語。連続放火と謎のグラフィティアートをめぐって奔走する兄と、自分の遺伝子にとらわれ続けた弟を描いている。ちょっと文章が鼻につくと思う人もいると思うけど、はまる人はすこぶるはまるんじゃないかな。


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【ロマンス】

クローズド・ノート(雫井脩介)

クローズド・ノート (角川文庫)普段恋愛物ってほとんど読まないんだけど、たまたま本書を読んで主人公に萌えましたw 女性の一人称ということもあり読みにくさを感じる人もいると思うけど、すぐ慣れると思うので頑張って読み進めていただけたらと思う。ところどころ笑えるところも有りです。

内容は、主人公が自室のクローゼットで前の住人が置き忘れたノートを見つけるところから始まり、そのノートから日常への色んな繋がり見えてきて…という感じかな。ラストは不覚にも結構感動しました。

関連記事:人の日記を盗み見る「クローズド・ノート」(雫井脩介)


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【SF】

時間封鎖(ロバート・チャールズ ウィルスン)

時間封鎖〈上〉 (創元SF文庫)これは個人的にかなり好きな作品。僕はSFがあまり得意じゃないんだけど、結構惹き込まれるように読んだ。本書は別に小説初心者の方じゃなくてもオススメしたいくらいだなぁ。でも、サイバーパンクがすこぶる好きだっていう人には向かないと思うけど。

内容は、ある日突然、空から星々が消え、月も消えた。太陽は昇りはしたが贋物。その上、地球の時間だけが1億分の1の速度になっていた、という話。謎を小出しにするところなんか何ともいえません。プロットが秀逸。

関連記事:SF初心者に全力でオススメしたい「時間封鎖」(ロバート・チャールズ・ウィルスン)


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【ファンタジー】

ベルガリアード物語〈1〉~〈5〉(デイヴィッド エディングス)

予言の守護者 - ベルガリアード物語〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)ファンタジーもそこまで沢山読んできてないけど、でもこれが一番面白いと思うし、初心者にも薦めたい。なにより訳が読みやすいというのが大きいと思う。僕は外国文芸のファンタジーしかあんまり読んだことがないんだけど、訳が解りにくいものが多々あるんだよこれが。その点本書は日本の小説っぽく違和感無く読めた。訳がおかしい小説って会話も変だったりするけど、ベルガリアード物語は会話が結構面白いし、エンタメって感じで良書です。

内容は、平和な農園で暮らす少年ガリオンが突如冒険の旅に連れだされるという、剣と魔法のファンタジーであり、ガリオンの成長小説でもある。5巻もあって長いけど、飽きずに読めると思うよ。


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【時代小説】

告白(町田 康)

告白 (中公文庫)本書は時代物といっても、明治期を舞台にしている。文体も特殊でもしかしたら読みにくいと感じるかもしれないけど、しばらく我慢して読み進めてもらったら絶対にはまると思うよ。そこは保証します。800ページくらいある長い小説ではあるけど、個人的には読み終えるのがもったいなく感じたほどはまりました。葛木ドール、葛木モヘアというネーミングセンスにも脱帽ですw

内容は、河内音頭のスタンダードナンバーにうたいつがれる、実際に起きた大量殺人事件「河内十人斬り」をモチーフにした物語。主人公・熊太郎の思弁的な語りが読みどころ。


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【ホラー】

黒い家(貴志祐介)

黒い家 (角川ホラー文庫)本書のレビューで、夜トイレに行けなくなったとか言ってる人がいたので、そこまで怖いのかぁ~と思ってしばらく読まずにいたんだけど、読んでみるとそこまでメチャクチャ怖いというほどでも無かった。なので、普段ホラーは読まないんだけどでもちょっと気になるって人も読んでみたらいいと思うよ。そこまで怖くないといっても、夜真っ暗にしてスタンドの明かりだけを頼りに読んでると怖いかも…。そのスタンドの明かりが窓に反射して、自分の顔なんかが映り込んでたりなんかしたら恐怖だろうね。

内容は、生命保険会社の社員である主人公が、死亡保険金をめぐってトラブルに巻き込まれるという物語。非常にリアリティがあって、ドキドキ感は結構あります。人気のある作品だけあって、ページをくる手が止まらなかった。


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【ノンフィクション】

シーラという子 虐待されたある少女の物語(トリイ・ヘイデン)

トリイ・へイデン文庫シーラという子虐待されたある少女の物語 ハヤカワ文庫 HBシーラという子虐待されたある少女の物語 ハヤカワ文庫 HB” />本書は、虐待を受けた子供が“立ち直っていく”という話です。虐待を受けるその過程が描かれた本もあるけど(たぶん、そっちの方が有名)、それとは別物なので念のため。

内容は、暴力、貧困、虐待に蝕まれた少女が、堅く閉ざした心をおそるおそる開き、一人の献身的な教師と深い信頼の絆で結ばれてゆく姿が描かれている。本書を読んでいると、シーラ頑張れ!っていう風にとにかく応援したくなってくること請け合い。トリイさんがいなかったらシーラはどうなっていただろうと、考えずにいられません。


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とまあ、こんな感じかな。あんまりページ数が長くない方が良いと思いつつ長いものを沢山選んでしまった…。オススメするのってほんと難しいもんだね。でもどれも楽しめる小説であることには間違いないので、参考にしてもらえたら嬉しいかも。





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