★2009年3月23日の記事を再掲

マネーロンダリング (幻冬舎文庫)僕は金融については疎いので、解りにくい部分が多々あったように感じる。正直、もうちょっと丁寧に補足説明を入れてくれよと思ったけど、なんとなくは理解することができたのでとりあえず良しとします。

本書は金融の話がメインなのは間違いないけど、人間の抱えている復讐心、嫉妬などの心の闇なんかも描かれていて、人間ドラマとしても濃い話になっていたりするので、門外漢の人でも普通に楽しめると思う。ミステリーテイストでもあるしね。

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なんか主人公のキャラが薄いのがちょっと気になってしまう。主人公なのでほぼ全篇に渡って登場するんだけど、どうにも掴み所のない印象。ヤ○ザの黒木や、登場シーンがそんなに多くない麗子やマコトの方がよっぽどキャラが立ってるんですが…。

同じ金融がテーマの小説ハゲタカの鷲津とどうしても比べちゃうんだけど、なんていうか魅力のない主人公としか言いようがない。まあその分、脇が頑張ってるので読ませる小説にはなっているんだよね。なんとも不思議な主人公だなぁ。


火車 (新潮文庫)金融がテーマの小説で女性が失踪とくると宮部みゆきの「火車」なんかも思い出すんだけど、やはり人の行方を探そうと思ったら個人情報をいかに手に入れるかが鍵になってくるんだねぇ。

日本でもお金さえ出せば簡単に個人情報が手に入っちゃうっていうのには、やっぱりそうなのかぁとちょっと落胆してしまう。どうも会社で手に入る情報を、金にしたくて仕方がない人間が常に一定数いるんだそうな。

大抵は借金がある人で、バレたってクビになるだけだから借金取りに追われることを思えば、会社の倫理規定など何も意味もないという心理らしい。嫌な世の中ですな…。


本書を読んで香港に口座を作ろうと考える人がほんとにいそうな予感。普通に手引きのようになってて素人でも出来なくもないもんなぁ。それよりもアメリカの金融機関の方が一番匿名口座を作りやすいとも本書に載っていた。どうもパスポートで本人確認をする習慣がないとのこと。本当なんだろうか? 

あと、中国の株式市場ではインサイダー取引が当たり前で、党や政府有力者のコネを辿っていち早く情報を掴んだものが勝ちなんだって。なんかもう腐ってますw 官と民の癒着が酷すぎるね。まあ賄賂で国も経済も回ってる国なんだろうからしょうがないけど。


それにしてもラストは結構衝撃的だった。金に狂った人間をずっと描いていたのに、最後は別のサイドで狂った人間を出してきたところは予想できなかったなぁ。予想はできえたはずなのに、視点を上手く外されてしまっていた、脱帽です。

橘さんは本書でデビューされたらしいけど、プロット的には上手いと思う。金融の話にもうちょっと補足が入っていたら◎でした。






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