★2009年3月25日の記事を再掲

コンスエラ―七つの愛の狂気 (中公文庫)なんとも切ない話ばかりだった。切ないというか、ほんと気の毒な感じ。男は女に翻弄される運命なのか? そう思わざるを得なかった。

本書は短編集になっていて、


・愛する女性の腕に抱かれて演奏されることを願う青年
・自分を愛しているなら片眼をえぐれと女に迫られる若い恋人
・ごみ埋立地に出没する美女をとことん愛してしまった男
・若さや肉体や美貌ではなく自分自身を愛してほしいと次々に難題を吹っかけてくる女に翻弄される金持ちの息子


など、女性によって人生を狂わされてしまった男達の物語が紡がれている。

【スポンサードリンク】


ほんと完璧な美しさをもつ女性ばかりが登場してくるんだけど、綺麗すぎるというのは罪なのか? と考えさせられてしまう。それは生まれもったものなんだから、それをどうこう言うのはナンセンスなんだろうけど、それがトラブルの元になっているのは事実なんだよね。


本書に登場する美女のひとりがこんなことを言っている。

あたしは群れでいちばんきれいな羽根をしているから、みんなあたしに夢中になってばかみたいなことをするか、あたしを憎む。決してあたしを独占できないと知っているから。いつもそのどちらかなの。あなたも例外じゃないわ。みんなとまるで同じ。


言い得て妙ですな。言い返せません。独占できないって解ってるからこそ、変なちょっかいの出し方をしてしまうのかもしれない。あるいは、腫れものに触るかのような扱いをしてしまう。男はみんなそうです。


でも本書の表題作である「コンスエラ」という話なんて、愛があれば何をしてもいいのか? と思わず訴えたくなる感じだった。コンスエラという女性は結婚して出産してからというもの、ぶくぶく太りだし、終いには風呂には入らない、歯は虫歯でぼろぼろになっちゃうんだけど、当然その夫は見かねて妻を注意する。

そんな妻の姿を見たら注意するのは当たり前のことだと思うんだけど、妻は逆ギレして「私を愛してないのね?」と言い返すもんだからたまったもんじゃない。ちょっと注意すればその返しが待っている。「愛してる」と言っても「嘘よ」と返されてしまう。もうその繰り返しです。


この表題作はちょっと極端な感じになってはいるけど、結構我々の日常でも繰り広げられていそうでなんかちょっと胃が痛くなりそうだった。「私を愛してないのね?」このワードは凶器に匹敵するね…。YESと返そうが、NOと返そうが嵐が待ってます。「仕事と私どっちが大事なの?」と言われるのと同じくらい重い質問。


あと、ちょっぴり気になったのが、本書に出てくる女性の髪の色がだいたい黒か褐色だということ。欧米人の方だとやっぱり金髪美女が好きなんじゃないかなぁと勝手に思ってたけど、そういった女性は一切出てこない。著者の好みなのかな? 意外といえば意外だった。







Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation