★2009年4月21日の記事を再掲

沈黙の春 (新潮文庫)なんというか、ほんと数々の衝撃の事実(もしかしたら僕が知らないだけで周知の事実かもしれないけど)が本書には書かれていて、「え、ほんとに?」という言葉を何回頭の中で言ったか分からないくらい驚きだった。

有能な学者は沢山いるにもかかわらず、自然や人体を蝕む化学薬品について対策をとることもなく、有害なものはもうそれはしょうがないじゃないかと、受け入れてしまっているのが現実らしい。それならば「負担は耐えねばならぬとすれば、私たちには知る権利がある」ということで、本書では微に入り細をうがち、骨の髄まで化学薬品に汚染されていっている人体に対して警告を発している。

【スポンサードリンク】


私たちはみなたえざる恐怖にとりつかれている。そのうち何ものかによって環境がひどく破壊され、人間はかつて滅んだ恐竜と同じ運命をたどるのではないのか。そしてもっと困ることは、最初の徴候があらわれる二十年まえ、あるいはそれ以前にすでに私たちの運命が定められているかもしれないのだ。


このように化学薬品による毒の連鎖というものは、何十年も前からどこまでも断ち切れることなく連綿と続いている。そのはじまりは、小さな小さな植物だったのだろう。そしてこの連鎖の終点は当然人間だ。そんな恐ろしいことがあろうとはつゆ知らず、汚染された動植物を我々は口に入れている。


わずか数種類の害虫を退治するために、ほかならぬ自分自身の破滅をまねくとは知性のある者のふるまいなのだろうか、と著者は苦言を呈している。殺戮者(人間)が元々目指した目的は全然達せられずに、無害なものがどんどん消えていくという運命。ほんと愕然とさせらるね。

本書は半世紀くらい前の作品ではあるんだけど、現在の実情はどうなっているんだろうか? 多少なりとも改善されているのか? それともさらに酷くなっているのか? どんどん毒があらゆるところに蓄積されてはいないか? 非常に気になるところです。

日本などの先進国はある程度対策しているとは思うんだけど、途上国ともなるとその辺はかなり怪しいんじゃないかと……特にお隣の国など。

生命をコントロールしようと殺虫剤のような武器に訴えるのは、まだ自然をよく知らないためだと言いたい。自然の力をうまく利用すれば、暴力などふるうまでもない。必要なのは謙虚な心であり、科学者のうぬぼれの入る余地などは、ここにはないと言ってよい。


自然に喧嘩を売って返り討ちにあったんじゃあ、元も子もないもんね。返り討ちというか自滅ではあるんだけど。今は、これまで積み重ねて増やしてきてしまった毒をこれ以上増やすことなく、できるならば蓄積されたものも減らす努力をするべきなのでしょう。

これからは我々世代が何とかしていかないといけないのだろうね。多少責任感を覚えます、エコしようエコ。






Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation