★2009年5月15日の記事を再掲

プチ哲学 (中公文庫)本書は“哲学”という名前がついているけど、広義の哲学とはちょっと違って、内容的にアイディア本・発想本の類に近い。

著者が元電通マンということもあって、基本的に物事の視点を変えて考えてみようという内容になっている。でも“哲学(philosophy)”って、“智(sophia)を愛する(philo)”からきているらしいので、このタイトルであっても間違いではないのだろうね。

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見開きで可愛らしいイラストが入って(だんご三兄弟テイスト)、次の1ページに解説が入るという流れ。31のテーマをもとに語られている。


・たまごの内側にひよこの出方が書いてあると想像する
・価値を測るのには、色んなものさしがある
・2次元の発想から3次元の発想に切り替える
・偶然性の発見
・逆算という考え方
・アフォーダンスという考え方 etc


といったテーマに対して、少ない文章で簡単にではあるけど、非常に解りやすい解説が入っていたりで、物事をちょっとだけ深く考えてみることを促すのに十分な内容に感じた。


僕が一番興味深かったテーマは、“「見えないもの」を見る”というテーマ。

見る・聴く・嗅ぐ・味わう、といった知覚の中で、人間が最も頼っているのが「見る」つまり視覚です。
逆に、見ることができないものは、人間にとって、とても扱いにくいものです。しかし、多くの文明や文化は「見えないもの」を何らかの創意と工夫で扱えるようにしたところから生まれてきました。
電波や磁気といった、目には見えないものを研究することによって、TVやレーダー、ビデオなどが開発されましたし、風鈴という道具を使えば、見えないそよ風が美しい音に変換され、部屋の中にいる人でも、風の存在がわかるようになるのです
「見ること」が、人間の最も得意な行為だとすると、「見えないものを見えるように(知覚できるように)すること」は、最も人間的な行為と言えるのかもしれません。


この風鈴のくだりは結構目から鱗だった。これも確かに「見えないもの」を見るという行為なんだろうなぁ。“風という存在を知覚したい”という思いから、もし風鈴が創られたとするならばなんかスゴイ。

あと、臭いや音なんかを機械などで数値化するという行為も、見えないものを見たいという思いから創られたんだろうね。


本書は結構短時間でサラッと読めちゃうんだけど、その割には沢山の発見があったように感じる。「今日の売り上げも予測できない街角の易者」など、個人的にその発想は無かったというものと色々出会えて、脳の体操としては申し分なかったです。

内容的にシリーズ化できそうなものなので、続編を作ってもらいたいなぁ。






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