★2009年6月2日の記事を再掲

当確への布石 上巻 (宝島社文庫)本書は衆院補欠選挙の選挙活動が物語のメインということもあって、具体的にどういった活動をやっているのか非常に興味深く読ませてもらった。

街頭演説ひとつとっても、人の流れなどをよく把握して戦略的に行っていることにまず驚く。単純に人が多く通りそうなところでやればいいってもんじゃないんだね。

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それから、当選請負人とも呼べる選挙のプロみたいな人なんかもいるらしく、候補者の参謀として色々と暗躍しているらしいのだ。ほんとまさに頭脳戦になっている。


だけど、主人公以外の候補者のことはそんなに多く語られないので、なんだか一人空回りしているようにも読めてしまったりも…。

それで急に他の候補者のことが言及された時には、誰が与党公認なのか野党公認なのかそれ自体よく解らない状態になっちゃうので、話が見えない時がある。それがちょっと残念。選挙“戦”なんだから、もっと他の候補者のことも丁寧に扱って欲しかったかも。


本書では、候補者を盲目的に崇拝して事件を起こしてしまう人間なんかも出てくるんだけど、考えようによってはちょっと羨ましくもあるね。事件を起こしてまで当選させたいと思わせる候補者がいるということ。

日本をこの人物に変えてもらいたい!革命を起こすという大役を担えるのは、この候補者だけだ!←こんな風に思えることって中々ないんじゃないかなぁ。実際にこのような感じの事件が起こったことってあるんだろうか? 結構気になる。


それにしても、本書はこの選挙活動以外にも色んな要素を詰め込みすぎて、それを上手く消化しきれていないというのが結構目立つ。特に元刑事の栄治の妻・娘のことなど、さんざん匂わせておいてスルーだなんて有り得ないでしょう…。

大局的に考えても、中盤で盛り上げておいて尻すぼみという感じだし、なんか勿体無い感じ。もっと面白くできた思うんだけどなぁ。でも、デビュー作らしいのでしょうがないのかもしれない。選挙活動の裏側をちょっとだけでも垣間見る事ができたので、まあそれなりに満足。








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