★2009年7月13日の記事を再掲
今回は、時系列的に言うと2巻の続きということらしい。夏休みのお話。なるほど、3巻でいきなり季節が秋だというのも可笑しいなぁと思ってたんだけど、1冊特別編が入ってくることになってたわけかぁ(あらかじめ予定されていたのかな?)
なんというか、かなりご都合主義な感じですな、今回は。妖怪、巫女、伝説などなど今までの話と比べて、ものすごくライトノベルテイストな物語でもあるし(まあ、本書もラノベだから問題はないのだけど)
下敷きになっている小説(戯曲)は泉鏡花の「夜叉ヶ池」みたいなんだけど、そこからもかなりアイディアを引っ張ってきたり沢山引用したりで、やはりこれまでの作品よりも趣を異にしているみたい。

本書の1ページ目を読んだだけでも、次は何かしら辛いことが起こるんだろうなぁと予想できるし。今までこのシリーズを読んできて薄々気付いてはいたけど、改めて示されると淋しい気持ちになるものだ。
物語の本筋以上に、遠子先輩とコノハの関係がどうなっちゃうんだろう? ということが気になってしまってしょうがなかったなぁ。遠子先輩の底抜けの明るさや、ふと見せる深刻な表情など、コノハ以上に読者の方が翻弄されてしまうと思う。気付いたら感情移入してたというわけかぁ、このシリーズに。
今回は物語自体やプロット的にも普通な感じだったんだけど、かなり衝撃的な事実も明かされてたりでそれなりに読み応えはありました。まあ、特別編だと考えればこんなものなのかもしれない(プロットが普通であればあるほど、逆に衝撃度が増す可能性あり、なんとなく)
それにしても、流人と麻貴先輩はそうなのかぁ……何だかなぁという感じだね。5巻を読んだ後なので余計にそう感じるんだけど…。
“文学少女”と月花を孕く水妖 (ファミ通文庫)
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野村 美月
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