子供たちは森に消えた
★2009年8月11日の記事を再掲

本書は、トム・ロブ・スミスの小説「チャイルド44」の原点となる事件を扱ったノンフィクション作品ということもあり手に取ってみた。

レソポロサ連続殺人事件」という事件なんだけど、ほんと世界的に見てもこの上なくとんでもない事件だよなというのが読後の素直な感想(事件の詳しい内容を気になる方は、Wikipedia等で確認してくださいな)

「チャイルド44」ではスターリン政権化を時代背景にされていたものの、実際には1980年代に事件は起こっている。80年代といっても社会主義国家には変わりはないので、やはりこういった凶悪犯罪、ましてや子供を狙った犯罪に関しては一切一般には報道されていなかったらしい。

【スポンサードリンク】


「子供はわが国で唯一の特権階級である」というスローガンがあるくらいなので、旧ソ連ではそんな事件は起こるはずがない、資本主義国家などのブルジョア国家特有の犯罪であると考えられていた模様。


チャイルド44 上巻 (新潮文庫)その一方で、一応子供が行方不明になっているという報道はされていたとのこと。このような社会ではあるけれど、ちゃんと警察を沢山派遣して捜査が行われていたらしい。その辺が「チャイルド44」とは違うところ。

しかし、容疑者への自白の強要や冤罪による処刑などもあったというところは、旧ソ連というものを思い起こさせられてしまう。


捜査員や検事の容疑者に対する接し方や、留置場の中のことなども包み隠さず描写されているので、なかなか考えさせられるものがあるんじゃなかろうか。80年代当時の科学捜査の不備なども描かれていて、個人的には足利事件を想起させられてしまった。

「チャイルド44」はロシアでは発禁になってるらしいんだけど、本書はどうなんだろう? こういったものを若い世代の人が読んだ場合、どういった感想を持つものかがちょっと気になってしまう(昔の人よりも、より客観的に捉えることが出来そうな気がしないでもない)


それにしても、本書は基本、事件発生 → 捜査 → 容疑者逮捕 → 容疑者拘留中に新しい事件発生 → 捜査 → ……(続く)、という風なことが繰り返されるので、読んでいる途中に多少ダレてくるのは否めない。捜査員の経歴なんかも随所で挟まれたりするし、正直小説じゃないんだからそんなに詳しく経歴は載せなくても良かったんじゃ……。


子供たちは森に消えた (ハヤカワ文庫NF)
ロバート・カレン
早川書房
売り上げランキング: 236,427


“大審問官”を彷彿とさせる議論「一九八四年」(ジョージ・オーウェル)







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Post Navigation