★2009年8月12日の記事を再掲

リリイ・シュシュのすべて (角川文庫)とっくに旬は過ぎててちょっと今更読むのもなぁと思ってたんだけど、妙に気になっちゃったんで読んでみた。

全く先入観無しで読んだんだけど、結構色々と既視感を覚える作品だったように感じる。ベタといえばベタだよね、青猫さんの正体も途中で気付いちゃったし。だけど、非常にテンポが良くて読みやすい。文章も詩的で岩井俊二らしさというものが感じられて、その辺は良かったと思う。

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何というか、ネットの怖さというものを改めて感じさせられたなぁ。掲示板での知らない人同士のやりとり。荒らし登場や、噛み合わない議論。僕自身も10年くらい前にヤフー掲示板で「バンドやってる人集まれ♪」なんていうトピックを開設してたもんだから、その頃のことを結構思い出さされました。

言葉のニュアンスの受け取り方の違いで、一気にフレンドリーな雰囲気に暗雲が立ち込めてしまうという絶望。ブログでいうところの炎上かな? いやぁ~もう思い出したくありません。。


本書はこういったネット上の掲示板から端を発して、リリイ・シュシュを愛した人間のリアルな姿が描かれている。そう、掲示板上の創られた人格ではなく、リアルな中学生の日常。そこには繊細さと残虐さが同居していて、彼らにはとてもじゃないけど心に抱えきることができないほど重たいものだった

正直大人が読んだら、ああこういう物語って読んだことあるかもだとか、結構ありふれたことだよねだとか、人生ってまあこういった悲痛さもあるものだよだとか、ちょっと老成してしまった感想を抱いてしまうかもしれない。だって大人は子供よりもドロドロとした世界を沢山知ってるから。


そういった意味でも、本書はやっぱり主人公の年齢くらいの中学生が読むべきであり、高校生くらいまでに手に取ると新鮮な気持ちで読めるだろうね。だけど、あまり感情移入せず読んだほうが良いかもしれない。鬱になったら大変だから。

あ、ちょうど今夏休みだろうから読書感想文に悪くないかも。主人公がなぜ最後あのような行動を起こしたか、自分だったらどうするか、どうなっていたら相手を許す気になれたかなど、特別ストーリーを追わなくても、主人公の気持ちがどうだったか書き連ねるだけで2000文字は軽くいけると思うよ?


それにしても、青猫さんはリリイ・シュシュの音楽が好きなのになぜ「痛み」というものを知ることが出来なかったのだろう? 青猫さん自身過去にイジメにあっていて、それを解かる機会があったにもかかわらず、なぜなんだ? そこが僕にはよく解からないところでした。








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