★2009年8月18日の記事を再掲

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)再読しようかなぁと思っていた矢先にちょうど新装版が出てたので、買って読んだ。

10年ぶりくらいに読むんだけど、改めて面白いなぁと感じるね。とにかく濃いです。初めて読んだ時はまだ自分自身本の虫ではなかったので、この生々しい描写にとことんまで酔ってしまった記憶がある。それでしばらく村上龍の作品は読まないことにしたくらいショックだった。

本書は本読み暦が浅い人が読むと、衝撃度というものはかなりのものだと思うよ。そういう意味でも傑作なのかもしれない。

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本書序盤の舞台は軍艦島をモデルにしている。初めて読んだ時はそれを知らなかったんだけど、今回はそれをイメージしながら読むことができた。それを知って読むのと知らないで読むのって、かなり違うだろうね。

あの廃墟の風景をイメージできたら、スラム街のような薬島(←これはどこかモデルの場所があるのかな?)、刑務所、コインロッカーという風に順々に連想させていくことできるだろう。


コインロッカー。キクとハシが仮死状態で住んでいた場所。ハシのいる芸能界も、ある意味でコインロッカーなんだろうなぁ。自己満足では潰される世界。自分の意志を捨てて生きていかないといけない。

いわば八方ふさがりという名の仮死状態。この状態を打破させようとし、キクはダチュラを使って(東京中に散布して)破壊してしまい、ハシを開放してあげようとしたのかもしれないね。


ダチュラの散布はいわゆるテロ行為なんだけど、このダチュラをあのオウム真理教も使っていたというからちょっと驚いた。「ダツラの技法」と称して信者を洗脳、自白させるために使われていたらしい。

別名「曼陀羅華」ともダチュラは呼ばれるらしく、仏教関係者には思い入れがあるのかな? でも、オウム真理教は仏教ではないという話もあるけれど…。以下参考。

チョウセンアサガオ(ダチュラ)- Wikipedia


それにしても、本書はほんとキャラクターの宝庫だよね。アネモネが最初に登場した時に乗ったタクシーの運転手なんかも、いまだに気になってしかたがない。あれは一体何者だったんだ? なんか普通に人殺しをしてくるし。

それから変わった老人や老婆が、割と定期的にチョイ役で出てくるというのも気になった。これも何か意味を持たされているんだろうか? 結構執拗に出てくるよねぇ? 何なんでしょう。


今回再読してみて、物語を追うというよりはそういった変わったキャラクターを楽しむという読み方もあるんだなぁと、改めて発見させてくれたように感じる。どうやら本書は映画化されるみたいなんだけど(浅野忠信主演?)、どっちかといえば漫画化した方が面白いんじゃないかと思うんだけど、どうだろう?








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