★2009年9月8日の記事を再掲

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)なんか久々にクローズド・サークルものを読んだ。なおかつ孤島もの。さすがに有名作品というだけあって、プロット的に上手いなぁと感じるね。初めてアガサ・クリスティーの小説を読んだんだけど、結構無駄な描写はないスリムな文章というイメージ。翻訳のかげんで語尾に「た。」が続いたりするので、余計にそう感じる。

本書は序盤に一気に10人もキャラクターが出てくるので、正直誰が誰なのやら混乱してしまった。しょっちゅう人物表とにらめっこしなくちゃならない始末。それぞれがどのくらいの年齢なのかもはっきりしないし、年寄りかそうじゃないかしか解らないというのはちょっといただけなかったかなぁ。外見描写も少ないし、誰にも感情移入することなく読み進めていく。。

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なんというか、やはりこういうミステリーって、お互いがお互いを疑いだすというパターンにどうしてもなっちゃうよね。恐怖にとらわれて、互いに警戒の目を光らせるという風にね。心理描写も「この次は誰だろう。どんなことが起こるだろう」というもの以外は他にないし、あまり「お!」と思わせてくれるものは無かったかなという感じ。


それにしても、本書の前書きにも書かれているんだけど、この手のミステリー(クローズド・サークル)って現代のテクノロジーの発達とともに、なかなか創作しにくくなっているんだろうなと、そう感じるね

その最たるものは携帯電話なんだけど、どこでも連絡が取れちゃう道具が開発されちゃったばっかりに、温めていた創作のアイディアを泣く泣く捨てなくちゃならないというケースも出てきていることだろう。

それにそういった道具の登場によって、本書のような作品がどんどんうそ臭く感じていってしまうという不幸も…。過去の作品になればなるほど、現代と比べてリアリティが薄れていってしまうという最悪のケースに見舞われているような気がする。なんという逆転現象…。


あと、本書の犯人についてだけど、ああいう最後なんだったら誰でも犯人になりえたというか、誰でも犯人役を演じさせれたんじゃないかなぁ、そう思った。アームストロング医師と組むことができるんなら、大抵のことは辻褄があっちゃうしねぇ。誰とも組んで行動は出来ませんっていう前提条件みたいなものがないと、犯人当てはちょっと難しいんでは?

まあ何はともあれ、このレジェンド的作品を読めてよかった。ずっと読まなくちゃって思ってたんだけど、一体何年越しの念願なことやら…。







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