★2009年11月2日の記事を再掲

六番目の小夜子 (新潮文庫)最後から一番目の小夜子 – 醒めてみれば空耳」 ← この記事を読んだのを切っ掛けに、久しぶりに再読。

完全に内容を忘れていたので、普通に面白く読むことができた。物語開幕からずっと漂っている薄気味悪さみたいなものが、何ともいえない良さを出してます。恩田陸本人も言っているんけど、ほんとデビュー作にしてすでに彼女らしさが滲み出てるね。

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物語は、ある高校内で密かに受け継がれているゲームや噂話から端を発する。この手のガジェットって割と使い古されている感じではあるんだけど、そこは恩田さんの手にかかってくると結構オリジナリティあるものになってます。学園物を読み飽きた人でも楽しめるんじゃないかと。


ちょっと思ったのが、この手の噂話って実際の学校とかでも結構あるもんなんだろうか? ということ。その辺が気になってしまった。僕が通っていた高校では全く噂話の類は無かったので、なんか羨ましく感じちゃったんだけど。絶対そういうものが有るのと無いのでは、全然学園生活のハリの出具合が違うんだろうなぁ。

僕が高校三年の時は新校舎を建てるためにずっと工事してたりして、結構騒音がうるさかったんだよね。高校が広島城の近くにあるもんだから、工事の途中に遺跡が発見されたことも有ったり無かったり。僕の場合はそのくらいのものですよ、学校にまつわる事件らしい事件みたいものは…。


まあ僕の話はさておき、結局この噂話というものも、所詮“噂”という名の付く通り、確証的なものばかりではない。中には人為的に創られたものもあるわけだ。しかも伝染しやすい。

もしその噂話が人為的なものだと考えると、それに翻弄されたものは皆、創った人間の“壮大なる暇つぶしの歯車”にされたにすぎないとも言える。翻弄されたものはそのことに気付くことはないし、創った人間は俯瞰して見続けることができるわけだ。言わば絶対神のようなもの。そういうものが学校という閉鎖された中にいると考えたら、えも言われぬ恐ろしさというものを感じるね。


本書を読み終わって真っ先にイメージしたのが、蟻の行列を子供が指で邪魔しているところ。身の危険のない安全なところから、ある力を行使された場合、立場の弱い者はどうしたって手を打ちようがない。そういったものに対してどう対処したらいいのかということを、本書によって考えさせられました。その答えは出てませんが…。

それにしても、結局あの獰猛な犬たちってなんだったんだろう。。







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