紫色のクオリア うえお久光
★2010年1月25日の記事を再掲

評判が良いという話を聞いていたので、今回読んでみた。いわゆる平行世界(パラレルワールド)ものなんだけど、僕みたいなSF初心者には丁度いい難易度で、入り込みやすく非常に面白い、というか凄かった。

テンポも良いし、ラノベ読み以外の人にもおすすめできる内容かもしれない。

まず何が凄かったかと言えば、やっぱり半分過ぎたあたりから繰り広げられる怒涛の急展開だろうね。読み初めは「自分以外の人間がロボットに見える女の子」の話がメインで、そこから色々事件が起こるんだろうなぁと思ってたんだけど、それはただの序章にすぎなかったわけで…。


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後々その女の子は、とある組織の陰謀に巻き込まれてしまうことになり、それを助けるために女の子の友達がアレコレ奮闘するというのが本書のメインとなっている。どのように奮闘するかと言うと、ここで平行世界が出てくるわけだ。

そもそも僕は平行世界というと、世界は違えども時間軸は全く一緒なんだと思ってたんだけど、どうやらそういう縛りはないみたいだね(SFでは当たり前?) こちらの世界では自分は社会人だけど、あちらの世界ではまだ子供の自分という風に、時間差があったりするらしい。


本書では、そういった色んな時間を生きている自分自身と交信し、あらゆる知識・経験を共有しながら奮闘する主人公が描かれている。

まさに奮闘。周りなんて見えていない。自分の人生だって省みない。その女の子を助けるためだけに、自分の人生を何度も繰り返し体験する。一度駄目なら、何度でも別の人生・世界を創り替える。まさに狂気の沙汰。応援したいという気持ちよりも、恐ろしいという気持ちの方が湧き上がってくる…。


はっきり言ってしまえば、その女の子が助かる世界が一つできたところでどうなるんだ? それは何か意味あるのか? それは自己満足なんじゃないのか? 助かった世界とは別の世界に生きている自分が、その知識を共有したところで空しいだけなのでは? P284にて語られる、女の子の言葉が胸に突き刺さります。

なんだかんだで、すっごい翻弄されながら読んだわけだけど、それがまた楽しかった。ラノベ侮りがたし、そう思わしてくれる内容(個人的には) やられた。


紫色のクオリア (電撃文庫)
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