★2010年2月2日の記事を再掲

伝奇集 (岩波文庫)以前何度か挫折したんだけど、今回なんとか読みきりました。正直、本書の筋を追ったというだけで、楽しめたかと言われたら何とも言えないけれど…。

たぶんリチャード・ブローティガンあたりを経由してから読んだので、それで頭に入ってきやすくなったんだろうなぁと自己分析。ブローティガン同様、幻想小説っていうものはこういうものなんだと、ある程度理解した上で読み始めるとなんとか付いていけたという感じがする。

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以前読んだ時は言葉が難しいとか以前の問題で、語られている内容自体、読んだ端から抜け落ちていっていたんだよね。どうにもこのどこか殺伐とした文体が馴染めてなかったんだろうな。

同じラテンアメリカ文学のガルシア・マルケスなんかも少し殺伐としている感じは似てなくもないんだけど、マルケスの方はその上に泥臭さも加味されていてそこが馴染みやすかったのかもしれない。


まあボルヘスのスタンスとして、

数分で語り尽くせる着想を五百ページに渡って展開するのは労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。よりましな方法は、それらの書物がすでに存在すると見せかけて、要約や注釈を差しだすことだ。


というものがあるので、それで簡潔で殺伐とした文体になったのでしょう。彼の場合、純文学と同様に“書くという行為自体に焦点が合っている”のだろうと勝手に想像する。

削ぎ落として削ぎ落として削ぎ落とした、ソフィスティケートされた文体。ミニマルな文体と言っていいのかも


それで本書の内容はというと、それは読んでみてくださいとしか僕には言いようがない。ちょっと僕のレベルでは語れないません……間違いなく陳腐なことになってしまうので。

好みで言うと、後半の小説よりは、前半の評論的な創作の方が面白かった。小説に関しては、正直ボルヘスじゃないと書けないという内容だとは思えなかったんだよね。でもオチの付け方はさすがに上手いです。


関係ないけど、松岡正剛にボルヘスを教えたのは荒俣宏らしいよ。ちょっとしたトリビア。







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