★2010年3月22日の記事を再掲

Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)難解だという評判を聞いていたので多少身構えていたんだけど、うん、確かに難解だった。でも何だろう、このそこはかとなく浸透してくるような面白さは。

SF的な難しさとはまた別の難しさが一緒くたになっている感じがあるね、本書は。哲学してると言ってもいいんだろうけど、そういったものが物語全体に“伏線”として張り巡らされていて、全篇読み終わったところで初めて細々とした部分がおぼろげに理解できたという感覚を味わうことができた。

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読んでる端から、ずーーーっとすっきりしない感覚というものが付きまとうし、読み終わった後でも一体何割くらい理解できたのやら分からないにも関わらず、面白かったとしか言いようがないです。


本書は、イベントという「時間が整然と隊列を組むことをやめた事件」後の世界というものが舞台になっている。簡単言えば、「過去―現在―未来」という風に繋がっていたものが砕けてしまった状態。宇宙や空間がばらばらな時間軸を進んでいるというものらしい。

もっと簡単に言えば、パラレルワールドが無数に出来上がっちゃったという状態なんだと思う、たぶん。そういった世界観を共通にして、20篇の物語が展開されていくわけだ。


これがまあ、スケールがめちゃくちゃ大きな話とそうでもない話が混在していて、もうやりたい放題になっているw 巨大知性体、超越知性体などが登場するようなちょっとワクワク感があるものもあれば、靴下が主役のものや江戸が舞台になっているものなど真剣にバカをやっている話もあって、ほんと引き出しが多いんだなぁと素直に感心してしまった

それから、ちょっと物悲しい話も後半に用意されていて、もしかして計算して配置してます? という風に思わざるを得ないほど物語の並びという面でも良かったんじゃないかと。た

だ、連作短編だというのなら、もうちょっとそれらしく書いてほしかったかなとちょっと思っちゃうね。リタやジェイらがどうなったのかとか、どうしても気になってしまうわけだし。


それにしても、解説がほんとにちゃんとした解説になっていてその辺も良かった。読後にこれを読んだら結構なるほどと思うところが多かったように思う。

時々、解説とは名ばかりの著者の経歴ばかり載せてるものが少なからずあるからねぇ…。本書の場合、読書のお供に非常に役立つことこの上ない。まあ当然のことながら、先に解説から読んだらダメだよ!


なんか、こう言っちゃなんだけど、短編じゃなく長編で読みたかったなぁ…。







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