★2010年5月25日の記事を再掲
何年かぶりかの再挑戦。なんとか読み終えたけれど、かなり理解度は低いです……。
のっけから固有名詞が頻繁に出てきて、SF初心者にとってはほんと分かりにくかったなぁ。でも、分からないなりに割と楽しめたという感じなんじゃなかろうか、たぶん。
とにかく、このオリエンタルな雰囲気の世界観が面白く感じるね、忍者まで出てきちゃうし。映画「マトリックス」とか「攻殻機動隊」をイメージしながら読んだらピタリとはまりました(ほんとイメージ喚起能力を試される作品であるのは確かなのでしょう)
本書を読んでいると伊藤計劃「ハーモニー」の元ネタらしきものも発見できたし、やっぱり色んな人が影響を受けた作品なんだろうなぁ、と少ししみじみ感じてしまう。まさにレジェンド的作品なのかも。
ただ、やっぱりSF初心者にはこの作品は大変キツかったわけで。中盤から終盤にかけては、完全に置いてけぼりをくらってしまった。電脳空間(サイバースペース)という文言からしてキツそうだなぁと思ってたんだけど、案の定ですよこれが。
主人公が電脳空間(サイバースペース)に行く時と後の描写なんかも、ただ「没入(ジャック・イン)」とあるだけで詳しく描写されないというのも、なんかちょっと不親切に感じてしまうよね。なかなかイメージしにくかったなぁ。まあある程度、物語の骨子自体は理解できたので良かったけれど。
だけど、これが80年代初頭に書かれたものというのは、ほんと素直に驚いてしまう。先取りどころの話じゃないもんねぇ。刊行当時、リアルタイムで読んだ人はほんとにちゃんと理解ができたのか、不思議に思えてならないや。
それから、現在ちょうど本書の映画化の話が出ているようです。
▼ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が『ニューロマンサー』を映画化か?
本書の解説によれば、86年の時点で映画化が進行しているという話がされているんだけど、20年以上も頓挫していたことになるみたいだね。監督が変わってようやく動き出したというわけか。ちゃんと完成しますよう影ながら祈っておきます。