これからの『正義』の話をしよう
★2010年6月15日の記事を再掲

本書は、今NHKで放映している「ハーバード白熱教室」を元にして書籍化したもの。この番組はネットでも話題になっていて僕もチラッと観たんだけど、こっちが色々考えている間にもどんどん講義が進んでいってしまうというもどかしさから途中で観るのを止めてしまったんだよね。

NHK ハーバード白熱教室 

僕が観たのはたぶんカントの回だったとは思うんだけど。これを書籍化してくれたらゆっくり考えながら読めるのになぁ、なんて思っていた矢先に本書が刊行されたのでさっそく読んでみた。

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やっぱり活字ということもあって、考える暇を与えてもらえるので、思った以上に頭に入ってきやすいかったかもしれない、テレビ版と違って。

ただ、テレビ版だと結構サンデル先生は生徒と絡んでいたりする。正直、この議論の交わり具合がなかなか面白かったりするので、その辺は物足りなく感じるのは否めないのかもしれない。やはり哲学の本質は議論にある、というわけか。

でも、本書を読んでから番組を観た方が全然理解度が違うのは確かだと思う。ある程度の筋道を知った上で、サンデル先生の講義を聴き、それから番組内の千葉大の先生の解説を聴く。この流れだと、無の状態よりは面白さという点から見ても全然違うんじゃないかと。ある意味、副読本として考えた方が良いのかもな。


まあ何と言うか、ほんと生活に根付いた問題(社会問題など)が主に議題に上がっているので、哲学とはなんたるかを知らない人でも普通に入っていけるところが何より素晴らしい。当然ながらアメリカの社会問題がほとんどなんだけど、日本でも起こりうる、もしくはもう起こっているであろうことばかりなので色々と考えさせられます。

大まかに言ってしまえば、道徳や政治をめぐる考察。基本はこれ。自分自身が生活していく上で、いつか何かを“選択”をしなくてはならない時がくると思うんだけど、そういった物事を“選択”するため、“思考”するための指標などを増やしてくれるのが本書なのだろう。

これこれこういう議論を相手と交わしていくと、こういう考え方で議論が進んでいく、というようなことも解るようになってくるわけだ。


本書を読んで、ハッとさせられることが非常に多かったように思う。その発想はなかったというような、ね。色んな角度から物事を読み取るということを一番教えられたような気がする。うん、なかなか面白かった。


これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
マイケル サンデル
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心の内と外「音を視る、時を聴く哲学講義」(大森荘蔵、坂本龍一)









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