神狩り2 リッパー
★2010年6月30日の記事を再掲

前作「神狩り」は何年か前に読んでいて、それに続編があることは知っていたんだけど、今回文庫化されたのを機に読んでみた。

何というか、正直やられたとしか言いようがない。ほとんど前作の内容を覚えてなかったので置いてけぼりにされるんじゃないかと若干不安に感じていたんだけど、それも嘘のようにのめり込んで読み進めましたとも、ええ。

本書のような宗教的な要素の裏側を攻めた物語って個人的にはツボなんだよね。「イヴが食べた“禁断の果実”は実は○○○でした」とか、「○○○によってイエスは謀殺された」とかとか。Amazonレヴューを見ると賛否両論のような感じになってはいるけど(というか、評価自体低いのかな?)、ワクワクしながら読めたし、かなり楽しめました。

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そういった宗教的要素に脳科学、言語学、心理学なんかを絡めて語られているところも非常に熱かったなぁ。


「脳そのものは記憶と感覚を編集するためのみに存在しているにすぎない」「脳は事実を隠蔽するためのみに存在しているにすぎない」「人間はすべて外部にいる何者かによって編集されているにすぎない」、←これらは「脳を編集する“主体”はメタ的外部にある」ということを言っているものだけど、それは一体誰が何のために? という風に、ミステリー要素が強いところもほんと惹きつけられた。謎が謎を呼ぶという感じで、全く先が読めない。まさに翻弄されながら読むほかなかったわけで…。


人間よりも上位にある存在を登場させるSFってこれまで沢山書かれてきた思うけど、本書の場合それがなぜ存在しなくちゃならないのか? なぜそれが隠れているのか?なぜ人間に影響を及ぼすことがあるのか? などなど、その辺りもちゃんと説明がなされるので、他の小説みたいに唐突な感じがすることもなく納得する部分が多かったのも良かったように思う。

他の小説であればその上位にある存在は大概“地球外生命体”であることが多いんだけど、本書の場合はそうではなく神であり天使であるというのが大きな違いなんだろうなぁ

しかもそれらが具体的に描写されているところなんかは、結構異色な感じがするのは否めないのかもしれない。Amazonレビューを見ても、そういった部分に不満を持っている人が多いみたいだね。


確かに天使とかを生身の体を持たせて登場させちゃうと、それはSFじゃなくファンタジーの世界になっちゃって、リアリティという点から見ても首をかしげたくなるのも頷けるというものだ。

ただ、本書はそれを補って余りあるほど「設定」という部分においては、他では読めないようなものがあったように感じる。たぶんだけど、茂木健一郎ファンの方なんかも非常に楽しめる内容なんじゃないかと。


よし今度は「宝石泥棒2」を読むぞ! と思ったら絶版になってるし…。


神狩り2 リッパー (徳間文庫)
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真実を知るのが怖い終盤の展開「宝石泥棒」(山田正紀)







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