山ん中の獅見朋成雄
★2010年9月2日の記事を再掲

いやぁ~とにかく変わった物語だった。なんともいえない世界観。前半と後半とでは全く話が変わっちゃったものだね。そこはかとなく面白かった、ように思う。

てっきり書道の話で盛り上がっていくのかと思いきや、カニバリズムな話になっていくとはね。誰もが想像つかなかったなかったんじゃないかと。とある出来事を境に主人公の性格もガラっと変わっちゃって、展開もぶっ飛んだ感じになってしまう。

たぶん舞城作品を他に読んだことがない人にとっては、何が何だかって感じになってしまうんじゃなかろうか。僕も半分なりかけちゃったけど…。

【スポンサードリンク】


ミステリー要素もあって、一体どうなっちゃうの? という引き付けられる部分はあるんだけど、この非現実的な話に酔ってしまいそうなほど翻弄されてしまう。著者があざ笑っているところを想像できるよ、まったく。そのくらい拠り所のないところを振り回された感が強いです。

でも、上で“非現実的”なんて書いちゃったけど、もしかしたらこういう話も“現実”に有り得るかもしれない、と思わしてくれる部分もあるところが面白いのかもしれない。だって、そういう風に読んでみると、ほんとそう思えてくるから不思議なところだ。


カニバリズムに関しても、「食の究極」を求めたものなのだとしたら、実際にあっても不思議じゃないもんなぁ。秘密の料亭が山の中にあって、海原雄山みたいな人達がソレに舌鼓を打ってるところなんて容易に想像ができてしまう。

キャラを個別に見ていっちゃうとこれは有り得ないってなってしまうけど、大局的に見ると、あっても不思議ではないと感じてしまう。その辺に空恐ろしさを感じるね。

(ま、「食」というものを突き詰めてしまうと、必ずカニバリズムに辿り着いちゃいそうではあるもんなぁ、う~む)


僕の場合、舞城作品を読んでどっぷりハマるということはないんだけど、でもどうしても惹きつけられるものがそこにはあるんだよな(突飛なものに触れたいというか、怖いもの見たさというか) また他の作品も読んでみたいと思う。


山ん中の獅見朋成雄 (講談社文庫)
講談社 (2012-12-03)
売り上げランキング: 155,127


自由に物語を紡いでる感じが滲み出ている「ディスコ探偵水曜日」(舞城王太郎)







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Post Navigation