★2010年9月7日の記事を再掲

ぼくのメジャースプーン (講談社文庫)本書は“命”について考える物語。多少重い。だけど、重すぎない丁度良い加減だった。

蚊やハエは殺しても良いのに、なぜ蝶やトンボは駄目なの? ならば、どんな動物までなら抵抗なく自分の手で殺せますか? また、人が生きる(食べる)ために動物を殺すのと、虐待によって殺すのと、それらに違いはありますか?

大人が考えてもすっきり答えを出すことができない「問い」が沢山出てくる本書。それを小4の男の子と一緒に考えていくという難しいテーマを扱っている。

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学校の教科書に出てくるような価値観なんて通用しない、既存の常識をバカにしてモラルを破壊する、そんな人間が自分の日常を脅かしてしまった場合、僕らはどう対処すべきなのか? 非常に考えさせられる問題だ。

そんな相手ならば、傷口をこれ以上広げないために相手にしないことがベストだと思われるが、目に見える形で大きな被害を被った主人公は相手に罪を与えたい復讐をしたいと考えるようになる。最悪な形の罪の連鎖。


自分自身も加害者になってしまっていいのか? その復讐は自己満足ではないのか? 何が正しいか正しくないのかは、立場によって変化してまうので正確には答えは出せない。ただ、小4という小さな子供にここまで悩ませ、こういう行動を取らせてしまった色んな大人が何より罪だよなと思ってしまうよね…。明らかに主人公もPTSDになっちゃってるんだもん。

直接を手を加えたわけじゃなく、二次的な要因でPTSDにさせてしまった人間には刑事罰というものは与えられないんだろうか? 明らかに因果関係がはっきりしてても罪を問えないものなの? なんか非常に理不尽な世の中だとしか思えないです。


でも、最終的には希望を持てる形で終わるので非常に良かったと思う。どうしたってスッキリしないテーマを扱っているわけだし、この物語は切ないまま終わらせたらやっぱり駄目だと思うしね。その点は良かった。

それにしても、ここまで“能力”について詳しく説明が入っちゃうと、やっぱり都合が良いなぁなんて思ってしまうよね、どうしても。多少オブラートに包んでいた方がミステリアスな感じで良かったんじゃないかと。







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