白痴 ドストエフスキー
★2010年10月6日の記事を再掲

新訳出ましたってことで読んだんだけど……うん、新潮社の木村浩訳とかとどう違うのかというところがよく分からなかったなぁ。

裏表紙の説明にはこう書かれている。

新訳決定版!(1巻)
画期的な新訳で!(2巻)
テンポ良く読みやすい新訳、完結。(3巻)


一体どの辺が“画期的”だったのか? それから、“テンポ良く”なってたっけ? これらの文言を書いた人は旧訳を読んだことがあるとは到底思えないんですが。

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光文社新訳古典文庫の亀山訳みたいな変に文章が軽くなるよりは本書のような感じが個人的には良いんだけど、それでも「これは新訳か?」と問われると「う~ん…」とうなるしかないね。「素寒貧」、「つんつるてん」、「つんぼ桟敷」などなど、古くさすぎるでしょうに…。




会話文なんかは多少現代的になっているような感じはするんだけど、その分人間臭さというものが薄まった感があるんだよな。というか、正直会話文はヘタなんじゃないかと思う。

思わず「え?」と言ってしまいそうな部分がちらほらあったし、特にエリザヴェータ夫人の会話。読みようによってはそれが江戸っ子っぽくて面白くはあるんだけど。


あと、「名の日」が「誕生日」って訳されていたのも気になった。そう訳すと文化的なものを歪曲して伝えることになるんじゃないの? と思わざるを得なかったんだけど。

いくら分かりやすい方が良いからって、変えていいところといけないところがあると思うんだけどなぁ。「Ш(シチャー)公爵」が「S公爵」になってもいたし……改悪だとしか言いようがない(編集者の方もその辺が気になったりしなかったのかなぁ? そこが不思議ですわ)


でもまあ、この小説自体は好きなので物語は面白く堪能させていただきました。改めて読んでみて、アグラーヤの強烈なツンデレはほんと勉強になるなぁと感じたし、(登場人物皆に言えることなんだけど)視野の狭さは罪だよなと感じざるを得なかったなぁ。


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