スラップスティック―または、もう孤独じゃない!
★2010年10月26日の記事を再掲

久々にヴォネガットを読んだんだけど、なんだかんだで面白いね。

というか、この人の頭の中はどうなってたんだ? と思わざるを得ないほどのキャラクターというか展開というか、う~ん。まあ、とにかく不思議なお話だなぁと、そうとしか言いようがなかったなぁ。

ある意味ではおとぎ話でも読んでいる感覚になるんだよね、ノリ的に。ところどころシュールな部分もあるんだけど、それがスパイスのように効いてきて全体的な雰囲気を創り出している感じではあったように思う。

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そういったシュールな部分に含みを持たせてあったりして理解しにくかったり、個人的に後半のノリにはあんまり付いていけてなかったけど、ある意味題名通りな内容で非常に興味深かった。ほんとアイディアという点においては素晴らしいよね。


ただ、一つ一つのアイディアは面白い、けど、それらが活かしきれていたかは少し疑問に思っちゃったなぁ。せっかく“緑死病”というものを出してきたのに、割とあっさり描写されていたし。どうせだったら、それによってマンハッタンが荒廃していく様を描いてもよかったんじゃないだろうか。

なんかそういったシリアスなシーンはほぼ無かったのが少し気になる。緩急は少なくて一定のベクトル上を進んでいる感じだったね。まあ、そういうノリにしたかったのかもしれない、著者としては。


あと、重力についての話で気になる記述が一点あった。「どうやって古代人はピラミッドやモアイ像やストーンヘンジなどを創ることができたか?」というものに対して「それはきっと大昔に重力の弱い時代があったからに違いない」と、あるキャラが答えていた部分。正直これは目から鱗でした。

この発想はなかったなぁ、完全に宇宙視点の考えだよね。物事を地球上だけのことだと視野を狭めて考えると絶対浮かんでこない答えだもん、これは。地球上で重力が長期間安定していることのほうが異常なのかもしれない。専門的なことを学んだ人から言わせると、そんなの有りえないと鼻で笑われるちゃうかもしれないけれど。


でも視野が広がりました、ありがとう。


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