★2010年12月30日の記事を再掲

ユリイカ2011年1月臨時増刊号 総特集=村上春樹 『1Q84』へ至るまで、そしてこれから・・・村上春樹評論集。ゼロ年代の作品を主に語られているので、「アフターダーク」「海辺のカフカ」「1Q84」などが多く取り上げられている。あと、映画「ノルウェイの森」に関連したものもちらほらと。

個人的に「1Q84」以外の作品はもうだいぶ内容を忘れてたりするので、「あぁそうだったね、確か」と感じながら読むほかなかったなぁ。「1Q84」の世界観がパラレルワールドになっているということもあって、「海辺のカフカ」のパラレルな部分を引き合いに出して語っている人も結構多かったし。

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あと、「ねじまき鳥クロニクル」も1984年が舞台になっていて、なおかつ「1Q84」にも登場している“牛河”も共通して登場しているというのにはちょっと驚いた。まったく覚えていないんだけど、役柄も両作品で似通っているらしい。これはそのうち再読してみないといけないかもな。

ちなみに、「ダンス・ダンス・ダンス」は1983年が舞台になっているとのこと。これは「ダンス」を読んだ後にすぐ「ねじまき鳥」を読んだら何か見えてくるものがあるんだろうか? ちょっと気になるね。


それから、アメリカにおける春樹評もなかなか興味深かった。なにやらアメリカでも「ノルウェイの森」によって読者が増えていったみたいです。あちらでは「ねじまき鳥」の後に「ノルウェイ」が出版されたらしく、ミステリアスでシュールな作品を書く作家が突然ストレートなリアリズム小説を発表したことに驚いたとのこと。そして、読者はその変化を歓迎したんだそうな。

確かにこれは驚くかもな。日本の読者も「羊をめぐる冒険」の後に「ノルウェイ」を読んで、その変化に驚いたとは思うけどね。日本でもやはり「ノルウェイ」によって爆発的にファンを増やし、同じように多数のアンチも増やしちゃったらしい。

でも、このアンチというのもちゃんと作品を読んで批判しているわけではなく、「なんとなくけしからん」という雰囲気が支配的だったとのこと。今現在の「KAGEROU」騒動ともちょっと似てるのかな? いや、「KAGEROU」の方はちゃんと読んだ人でも批判してるか…。


それにしても、本書ではあの元○○女優ライター・峰なゆかさんまで寄稿されているということにちょっと驚いた。なんか色々と活動の場を広げているみたいだね。文章として純粋な面白さという観点から見るとするならば、たぶん彼女が一番面白かったと思う。まあ砕けた文章だからね、当然といえば当然なんだけど。題材もほんと泥臭くて良かった。


峰なゆかさんによる「ノルウェイの森」の映画評を少しだけ引用してみます。

 スピリチュアルな女だった直子がただのメンヘラな女になりさがり、リアルな緑は好感度の高い女にバージョンアップされていて、性的対象としては見られないおばさんだったレイコさんはぜひ一発お願いしたい美熟女になっていて、「直子って綺麗に描かれすぎじゃね?」「男性読者はもっと緑の魅力を分かるべきじゃね?」「レイコさんは、いくらなんでもおばさんすぎじゃね?」という、私が原作で抱いた不満が解消されてはいる。
 映画の監督も、村上春樹と緑のことが好きなのだろうな、とも思う。しかし映画の出来だけ見れば、こりゃねーよと言わざるをえない。


映画版はこんな感じになってるんだね。ある意味改悪なのかな?
ま、なにはともあれ、村上春樹は時代時代で愛され続けてきたのだなぁと感じました、とさ。







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