存在の耐えられない軽さ
★2011年2月5日の記事を再掲

何年か前に読んだ時100ページほどで挫折したので今回再挑戦してみた。

それで読了したんだけど、結構最後のあたりの内容まで覚えている部分があったりして、実は挫折なんかしていなかったことがこのたび判明。少しだけやるせない気分になりました…。

なんで自分は本書を挫折したと思っていたんだろう? なぜあまり記憶に残っていなかったのか? これを思うに、本書は僕にとっては難解な部類に入るので、著者が言いたいことはなんとなく分かるんだけど、それを僕の言葉で改めて説明しようと思っても、それをするだけの語彙や比喩表現を自分自身持っていないということが原因なんだろうと、そう思わざるを得ない。

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それに、登場する女性陣がまた頭が賢いんだよね、特にテレザ。普通の人間が到底思い付かないような複雑な葛藤を頭の中で繰り返ししているし、そのうえ自分の考えを相手も理解できる、いや、理解しなくちゃいけないという風なおごりも見え隠れする人物なので、ほんと読んでいて苦労しました。

なおかつそういった自分の心情を口で語らず、でも相手に理解してもらいたい願望もあるから、たぶん相手からしたらちょっぴり不思議ちゃんテイストが入った人物だと認識される恐れがある。だから、なかなか自分の頭の中でテレザという人物を組み立てるのが難しかったなぁ。でも、そこが非常に興味深い人間性だと言えるんだけど。


それからもう一人、サビナ。こちらの彼女も非常に頭が賢く、なおかつ冷静で自己主張もちゃんとする女性。テレザと似通ったバックボーンを持ってはいるんだけど、彼女の場合、さまざまなものを裏切って(重荷を捨て去って)新しい道を切り開いてきたので、ほんとテレザとは対照的な人物という感じ。

テレザの場合も、一見色んなものを捨て去っているように見えるだけど、なぜか非常に吸引力のようなものがあり、誰も彼女を一人にすることはない、できない。そこには同情のような要因も見え隠れしていて、そこに重さというものを感じるのだろうな。


物語を堪能する前に、キャラクター達を頭の中で処理していく作業が非常に大変だったとしか言いようがないです、はい。テレザとサビナが二つの極。重さと軽さということなのか? そう考えるのが自然なのかもしれない。

ほんと独特なキャラクター。そういった意味ですごくインパクトがあるし時代背景なんかも複雑なので、普通なら絶対内容をそれなりに覚えていると思うんだけど、ほとんど忘れていたという自分が情けなかった。


ちょっと情報量が多すぎる小説というのも考えものだよね、と少し思ってしまいましたわ(自分自身のキャパが少ないだけだけど…) 濃ゆい。濃すぎて、処理でききらずにそのまま流されてしまったということか。ほんと「やれやれ」としか言いようがない。




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