新世界より 貴志祐介
★2011年2月15日の記事を再掲

本書は、少年少女が世界の秘密を発見してしまいなんやかんやするパターンの物語。序盤から驚かされることが多くてワクワク感がほんとすごかった。

正直このテンションを最後まで保てるのか? という不安を持ちつつ読み進めたんだけどそれも杞憂にすぎず、中盤から濃くなっていくばかりの緊張感に翻弄されるしかなかったわけで…。

その緊張感もそうなんだけど、全体的に漂っている変な恐ろしさというものがものすごく高めてくれるよね、色々なものを。ところどころで不安を煽るような文言が出てくるし、そういうのが割とサラッと出てくるもんだからドキッとさせられてしまう。そういうところが上手いのだろうな。

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世界観の設定も緻密だし、ここまでしっかり練られていると説明の部分も読んでて面白かった。設定説明ばかりでうんざりっていう小説が時々あるけど、本書のようにまず読者に疑問を持つように仕向けて、それから説明という風な流れにしているとすんなり頭に入ってくる。やはり工夫は必要なのだね。


あと、個人的にはバトルものって苦手なんだけど、本書はその辺もなかなか面白く感じたなぁ。

とにかく敵側にものすごい策士がいるというところがミソで、主人公達の予想をさらに上をいっている具合がハラハラドキドキ感を増していた気がする。「これは罠なんじゃないか?」と悩ませ、「仲間のこいつも実は敵なんじゃないか?」と疑心暗鬼にもさせる。


一体なんでこんな戦いをしなくちゃいけないの? と思っちゃうわけなんだけど、それこそ人間がこれまでやってきた事の報いを受ける、自分達が何の罪とも感じていなかったことを再確認させられる、はたまた人類のこれまでたどってきた歴史の負の連鎖がまだまだ続いているということを身を持って体験させられているわけだ。読者も一緒になって。


世の中には知らない方が良いことっていっぱいあるよね。それを知ってしまったばっかりに、信じていたこの世界から裏切られてしまう。真実が一番残酷、これに尽きます




新世界より(上) (講談社文庫)
貴志 祐介
講談社 (2011-01-14)
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