★2011年3月11日の記事を再掲

予告された殺人の記録 (新潮文庫)うん、まさにタイトル通りの内容だった。本書はガルシア・マルケスお馴染みの幻想的な雰囲気はほとんどなく、実在の事件を基にしたいわゆるルポルタージュ的作品になっている。事実だけ描かれ心理描写はほぼ無し(小説でもこんな感じだよね)、でも相変わらず細かいエピソードは秀逸だね。

事件の起きた町の住民の証言が主になっていて、割とたんたんと物語は進んでいく。皆が皆事件が起こることを予め知っていたし、中には被害者にそのことを忠告する人もいたにも関わらず起こってしまった殺人事件。

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正直、まさかまさかとしか思えなかったなぁ。ほとんどの人が本気にしなかった。そんなことは有り得ないと思っていた。そんな感じなもんだから、犯人は逆に「ならば本気でやってるよ!!」という心理でも働いたんだろうかね? そんな風に思えてしょうがないです。


それでもって、最後の最後にまさに殺人が行われたシーンを持ってきたというのは、ほんと強烈なインパクトをもたらしてくれた。結構余韻が残る感じではあるね。

本書の中でさんざんあおって引っ張ってきたものだから、「ようやくこのシーンが読める」という感慨深さもあるようなないようなでした。


そういう意味では、あとがきでも書かれていたけれど構成力がやはり素晴らしいのだろうなぁ。どこで何を語るかというものが計算して描かれている。ルポルタージュというものは色んな時々の証言などを集めないといけないわけだし、時系列の辻褄あわせも考えないといけないだろうから、ほんとに難しいのだろうと想像に難くないです。

それにしても、バヤルドはアンヘラからの手紙を一切読んでいなかったにも関わらず、なぜ彼女のもとへ会いにいけたのだろうか? そこがちょっと疑問だった。





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