ドグラ・マグラ 夢野久作
★2011年4月22日の記事を再掲

10年くらいぶりに再挑戦して今回読了。割と普通にミステリーとして楽しく読めました。

前は「胎児の夢」の部分で挫折したんだけど、今回読んでみて特段突拍子もない感じはしなかったなぁ、不思議。細胞がどうのこうのっていうところで拒否反応をしめしていたのかもしれない。

で、本書は「読んだ人は精神に異常をきたす」という触れ込みで有名な作品なわけだけど、なんでそんな変に敷居を高くしちゃったんだろうかね? なおかつ、そういう触れ込みのおかげで「本書は他では絶対読むことができないような展開が待っているだろうなぁ」なんて期待をしてしまうのも否めないし。

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正直な話、もし上記のようなものを求めている方がいたら本書ではなく、SF作家アルフレッド・ベスターあたりの作品でも読んだ方が満足しそうな気がする。そちらの方が断然“狂人が書いた小説”というものを味わえるんじゃないかと。

かと言って、本書が平凡な作品だと言っているんじゃないのであしからず。読んでて狂っちゃいそう~なんていう感覚はないけれど、間違いなく“狂人が書いた小説”だというのは確かなんだから。


と言うのも、本書は“研究狂”である大学教授のレポートや長広舌がページの大半を占めている、言わば、『研究対象ひとつに全生涯を迷わせ狂わせ弄ばれた人間の物語』がここにあるわけだ。それでいて、その研究に巻き込まれ翻弄された人間の物語でもある。

けっして精神異常者の物語ではない。正常な人間が本気になったらここまでのことをやってしまう、というところが読むべきところなのでしょう。精神科医と精神病患者は紙一重というのはよく聞く話だけど、そういう事なんかも示唆されているんだろうなぁ。




それにしても、本書に出てくる「脳髄論」。本書が刊行された当時は「なんて斬新な!」と思われていたのは想像に難くないんだけど、実際問題今考えるとどのくらい正しいことなんだろうか? あと、心理遺伝については今どのくらい研究されているのだろう? その辺がちょっと気になる。


ドグラ・マグラ(上) (角川文庫)
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