勝手にふるえてろ
★2012年8月23日の記事を再掲

綿矢りさ・初の長編小説である『夢を与える』が文庫になるのを待ってたんだけど、なぜだかこちらが先に文庫化されたみたいなので読んでみることにしてみた。

読後の素直な感想としては、片想い女子の一人称小説ということもあって、男の僕にはちょっと感情移入しにくかったという感じです。面白い発想、というか妄想をする主人公ではあるんだけど、なかなか頭に入っていきにくかったなぁ。

偽装妊娠のあたりはなかなか面白くて、「ようやく話が動き出した!」と思えたにも関わらず、もうすでに物語は終わりのほうだったという悲しさ…。もう一つ二つくらい盛り上がりが欲しかった。

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まあでも本作品においては、ストーリー性よりも主人公の語り口を楽しむという感じなんだろうね。対人関係ではどちらかというと大人しいタイプなんだけど、心理描写では割と気が強くプライドが高いという、その辺りのギャップが良いのかもしれない。


個人的には、同時に収録されていた『仲良くしようか』という作品の方が興味深かったように思う。

非常に短い話ではあるんだけど、あらゆる“毒”を持ったサバサバした女性が描かれて、一癖も二癖もあってどう形容していいのやら分からないものの、『勝手に~』の主人公のようなジメッとした感じよりも相当好感度の高い主人公だった気がする。


あと、解説には辛酸なめ子さんが書かれているんだけど、そこに興味深い一節が。

小6当時、サッカーが得意なクラスメイトのAくんが好きだった私は、バレンタインデーにサッカーボール型のチョコレートを大量にプレゼント。そこまでは普通ですが、添えた手紙に「ホワイトデーのお返しは、キャンディじゃなくてAくんの○○○○が欲しいな」と書いてしまい、もちろん黙殺されました。その一件で心が折れ、以降あまり恋愛に積極的になれなくなってしまったので、ヨシカの度胸とアグレッシブさがうらやましいです。


本書の中で一番笑わしてもらいましたw



勝手にふるえてろ (文春文庫)
綿矢 りさ
文藝春秋 (2012-08-03)
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