★2013年3月15日の記事を再掲

ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)24人のビリー・ミリガン』の続編。多くの人が“地獄の病院”と呼ぶ劣悪な環境の精神病院へ移送されたところから本書は始まる。

まあ、なんと胸糞の悪い環境だことか。とても患者を治療している空間には見えない、まるで刑務所。暴言・暴力なんかは当たり前で、電気によるショック療法なんてものもあるし、介護人からはお金をせびられるという目を疑う光景が繰り広げられる(刑務所より酷いと思う、たぶん)

【スポンサードリンク】


おまけにミリガンを担当する医師は多重人格(解離性同一性障害)を信じていないときたものだから、最悪だとしか言いようがない。前作でせっかく統合しかけていた人格も、ついには混乱の時期に入ってしまう。

しかし、その環境が悪いことが影響してか、以前の病院よりも他の患者との人間関係が密になっている印象。連帯感が強いというか何というか、若干イキイキしているようにも見えるのが不思議な感じではある。まあ、そのくらいじゃないと、生きていられないほどの環境なのかもしれない。


そんなわけで、生き抜くという力がものすごく高まってきたミリガン。人格の統合も進んでいないにも関わらず、環境にもまれすぎて図太くなったようにも見受けられる。しまいには、自由を勝ち取るために他の患者達と共闘し出す始末。完全に病院との戦い、それに明け暮れていると言っていいのかもしれない。

やっぱり多重人格って鬱やら他の精神障害と違って、気分がものすごく沈んだとしても他の人格に変えることが出来るから、何かしらの目的があれば常に元気でいられる感じなのか? と思ってしまうくらい、ほんとイキイキしているように見えるものだね。


だけど、そんなミリガンもついには自由を勝ち取れないことに絶望してしまうわけで…。ところが、その時に取った行動によりまさかの人格統合。どういう行動を取ったかというのはここで語るつもりはないけれど、ある意味で背水の陣をしいたおかげで統合を果たせたという感じなのだろうなぁ、怪我の功名というやつですか。

それにしても、Wikiで読んだんだけど、本書はアメリカでは未だに出版されていないということに驚いてしまった。裁判が継続中という理由かららしいんだけど、なぜ日本の出版が許されたのかが不思議でならない。








LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation