世界の中心で愛を叫んだけもの
★2013年6月7日の記事を再掲

エヴァとか数百万部売れたアレとかの元ネタとして有名な本書。てっきり「けもの」じゃなく「けだもの」だとばかり思ってたんだけど、今更ながら読んでみた。

確かに噂通りの難解な表題作。時系列が前後したり、とにかく説明不足な点が多いというところが分かりにくくしている要因なのだろうね。でもまあ、非常に短い作品だからすぐ読めるということで、2、3回繰り返し読んだら何となく理解出来た気はする。

初読時では、ライナとセンフの台詞も思わせぶり過ぎて何を語っているのやらってなっちゃうところなんだけど、やっぱり全体像が分かってしまえばスルスル頭に入ってくる感じではあるね。


【スポンサードリンク】


そもそもSFではあるんだけど、科学的な説明はほとんど書かれていないから、設定の部分でつまずくことはたぶんない。そういった意味では感覚だけでこの世界観に入っていけるから、自分次第でいくらでも感情移入できる作品なのかもしれない。しかし、それだけ感受性の強さも要求されちゃうんだけども。

とはいえ、繰り返し読むことで上記のことは補っていけるし、理解度が高まればカタルシスも増していくし、まあ敬遠せずに読んでみて良かったなというのが素直な感想です。


それにしても、「おれは世界中のみんなを愛してる」発言をしているスタログを一見“けもの”と思わせておいて、クロスホエン(世界の中心)に住んでいる反逆者としてのセンフの方こそが“けもの”とさらにミスリードさせて、実は「スタログの彫像は人びとの心の中に存在した」という文言から、やはりスタログこそが“けもの”であるという結論でOKなんだろうか? ま、そんな感じで自分なりに理解しました。


他にも何篇か作品があるんだけど、砂漠、海中、山、宇宙などが舞台になっており、結構バラエティ豊かな作品が収録されていてなかなか面白かった。

個人的には「眠れ、安らかに」と「聞いていますか?」あたりの設定が興味深かったなぁ。「少年と犬」は映画化もされたらしいものの結局何が書きたかったの? と思いました、とさ。


世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
ハーラン・エリスン
早川書房
売り上げランキング: 167,829








LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation