★2013年6月17日の記事を再掲

ラピスラズリ (ちくま文庫)読み始めから不思議な雰囲気が漂っている本書。舞台が古い洋館というだけでも何かが起こりそうだとイメージをもってしまう。

特徴的な召使い、双子、猫の部屋ならぬ猫の通路など、マーヴィン・ピークの『ゴーメンガースト』を彷彿とする感じで、それだけでもワクワクさせるものがあるね。

【スポンサードリンク】


しかし、場面転換が非常に多いし、登場人物の台詞は何かにつけて思わせぶり、なおかつ時系列が分かりにくいもんだから、ちょっと物語に付いて行くのが大変としか言いようがなかった。文章は平易なんだけど、結構難解に感じてしまう。物語構造自体が複雑になっているというか何というか、見事に翻弄されまくりでした。

半分まで読んだところで混乱のピークに達したので、とりあえずキャラの特徴くらいはメモしながら初めから読み直すことに。それにより、だいたいは内容を把握できたかなという感じ。読み直しをした時のほうが初読時よりもずいぶん面白かったように思う。


まあ、この狭いコミュニティの中で起こっている驚愕の事実というものは、第1篇目に載っている物語上でネタバレされているようなものなのでそこまでの驚きは無かったけれど、人形運びとゴーストの真相についてはちょっと驚かされたなぁ。

そういった事件が起こるとは思えない舞台設定だし、それ自体は物語の本質とそこまで関係ないもんだから不意打ちを食らった感がある。そもそも何が本質であり、どこが読むべきところなのかよく分からないけども。されど、惹きつけられる作品であるのは間違いない、どこがどうとかほんと感想が書きにくいけどね。


それにしても、「トビアス」という第4篇目の作品が非常に興味深かった。荒廃しきった未来の日本が舞台かのような世界観。こちらの設定を膨らませた長編作品を読みたくてしょうがない。








Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation