★2013年12月5日の記事を再掲

ムーン・パレス (新潮文庫)初ポール・オースター作品だったんだけど、なんだかあまり入り込めなかった。前半と後半の物語でずいぶんと趣が変わっちゃった気がしてならないね。

60年代アメリカの世間と若者のリアルという部分に関しては、それなりに興味深かったとは思う。全て行き当たりばったりでどんどん人生を放棄していく主人公の様子は、なかなかサバイバル感があって面白かった。

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飢えはあるが自由はあるよなと、そういう感じにポジティブに読むことは出来たんだけど、その自由すらも最早放棄している主人公の痛ましさというものも読み応えがあったように思う。


しかし、その後の“心に闇を持った老人”との出会いによって、物語がガラッと様変わりしてしまった気がしてならない。というか、むしろこちらが読むべきところだったのでしょう、本書としては。でも、個人的にはあまり付いていくことが出来なかったわけで……。

老人が自分の人生を語るというあの長広舌が全然頭に入ってこなかったので、非常にキツかった。なんだか彼の人生という物語をあまり面白いと感じなかったんだよね。


正直、主人公の人生だけでもお腹一杯だったから、それに加えて他の人の新たな物語を畳み掛けるように語られても、なかなか頭の中で処理できませんでしたわ。

でも、この老人の死に向き合う姿勢であるとか主人公に対する心情の変遷は、クライマックスに相応しく非常に心に染み入るものがあって、それなりに余韻があり心地良い気がする。


とかなんとか思っていたら、最後に茶番を見せられるとは思わなかったなぁ……。まあ本書の裏表紙に書かれている「自らの家系の謎」というものが語られていたわけだけど、ほんと見事なご都合主義でありました。

主人公の○○との対面って必要だったのか? という思いが巡ってしまいモヤモヤが募ってしまう。







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