★2014年4月21日の記事を再掲
「仏教・神道・儒教」というのは「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教」と違って、そこまで濃い関連性や目立った対立もない感じのようで、前著よりは割にあっさりした内容だったかもしれない。
あくまで本書で語られている「仏教・儒教」については、日本におけるもの&日本で変容してきたものが主だったりするから、そりゃあミックスさせるのが得意な日本なので対立も起きようがないのかもしれない(表立ってないだけかもだけど)
そもそも日本人のDNAには聖徳太子の「和を以て貴しとなす」という精神が刷り込まれているきらいがあることだし、日本国内ではそういう事が起こりにくくはなっているのでしょう。
その代わり、外に出てしまうとぬるま湯につかっていたせいか、論争でやり込められるケースが多いという悲しい事実があるわけで……。
なんというか、日本人は無宗教だなんて言われてはいるけれど、やっぱり民族的に根ざした宗教観ってあるのだろうなと感じざるを得ないものだ。
上記に書いた論争下手もそうだけど、危機管理能力の低さというのも「言霊(ことだま)信仰」といった“言葉にすると現実になる”という事象に影響を受けている感じでもあるし、なんだかんだで神道思想というものが日本人のベースになっているのかもしれない。
芸能界とかでも不祥事があった時に、タレントさんが出演自粛する期間を“禊(みぞぎ)”の期間と普通に言ってたりするのも、やっぱり神道思想なんだよね。
禊(みそぎ)があるということは、“穢れ(けがれ)”を徹底的に嫌う思想があるのも当然のことで、こういうものがDNAに刷り込まれているからこそ、最近で言うところの集団的自衛権の行使を許さないという人も多いということなのかも(単に左翼的なだけの可能性有り)
それにしても、神道における「悪い神も祀れば機嫌を直して善になる」という、この並外れた性善説って日本人らしくて悪くないですな。でも、こういう考え方があるからこそ周辺地域との軋轢が生まれているので何とも言えません。正直、この宗教観の違いというものを他国には分かってもらいたいものだ、特にお隣の2国には。