ダークホルムの闇の君
★2014年6月27日の記事を再掲

本書は、魔法世界が人間達にとっての観光地とされてしまっている、そういった世界観が描かれているわけだけど、なんだかその設定一つを取ってみても結構なワクワク感があったように思う。

いわゆるテーマパーク等の体感型アトラクションの“仕掛け人の舞台裏”を読んでいる感じで、催しの準備に翻弄される魔法世界の住人達のドタバタ劇が非常に面白い。

無理難題を魔法やクリーチャー達の力でなんとか解決、かと思いきや、本番にいたっても更なるトラブルに見舞われて「さあ大変」てな塩梅。基本、その繰り返しではあるものの、なかなか読み応えがあった。

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登場人物も皆しっかりとキャラ付けされていていることだし、漫画やアニメにもできちゃいそうな“王道ファンタジー”な世界観。容易に頭の中でイメージが作れるところも魅力かも。

怒涛のクライマックスは若干取って付けたように感じたけれど、結構スカっとした気分にさせてくれるなど、これはこれで悪くなかったように思う。悪い人間をどんどん追い込んでいく様は心が晴れますな。


しかし、本書を読んで人間の欲深さというものに改めて辟易した気持ちにさせられると同時に、どうしたって新たな燃料(エネルギー)・動力が必要とされている現実世界の事象なんかも思い起こされてしまったり、その辺のジレンマが何とも言えない読後の余韻を残していくものだ。

世界が違ってしまえば、そこにいる住人など単なる物と同等に感じてしまう人間達。そういった物の捉え方というのは、現実の我々の世界の人達にだって有ることだと思うので、本書はファンタジーでありながらもリアルなのだろうなと、そんな気もしてしまう。


魔法世界の住人の方がよっぽと倫理観がまともで、こういう世界に住みたいなと思ってしまった。でも、彼らの場合は魔法があるからこそエネルギー枯渇という問題に悩まされることがないんだよね。なんだかんだで恵まれてるのかも。




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