夏のレプリカ (講談社文庫)引き続き再読しています、S&Mシリーズ。

本作も内容をほとんど覚えていなかったこともあってか、真犯人があの人物だったとはかなり驚かされました。ずっと本編の内容に出ずっぱりで、なおかつ心理描写もこれでもかと書かれていた人物なので、ほんとに意外過ぎたとしか言いようがない。

刑事に対する取調べなんかでも、ウソの発言をしたりしていたのかなぁ? もしくは、本人もショックで一時的に記憶が改竄されていたのだろうか。非常に悩ましい。

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他の人物の失踪の謎であるとか、そのバックボーンに気を取られていたので、見事にミスリードさせられてしまって、「やられた!」感がものすごいんですが……。

全体的にも割と謎が謎を呼ぶ感じだった思うし、前作の内容が一部絡んでいたりもするので、混乱極まりない作品だったように思う。でも、その入り組んだ感じが面白いとは思うけれど。


★真犯人の性格の変容が気になる
しかし、真犯人による異様に肝が据わった態度、人生に対して開き直った様、なぜそんな感じになってしまったのか? その辺が気になってしまった。

はじめは、殺人を犯してしまい、何かしら達観するものがあったのかと思ったものだけど、こういう状況になる以前からそういう人間に変わってしまったように思えてならないんですが。

恋人の影響か? いや、やはり家族との間で起こった事件というのが大きく関連しているのだろうね。


もしかしたら、それ以前の親が再婚した時にまで遡るのかもしれない。子供時代のトラウマ、今では忘れているということもあるのだろうけど、それは心がディフェンス作用しているだけで、実際には身体に影響を及ぼしていることも間々あるのでしょう。

それらがマグマのように溢れ出し、いつ爆発するかは分らないので、自分では知らず知らずガス抜き作用をしているのかもしれない。

そのガス抜きというのが、ときおり発現する狂気。それが終わると、急に全てを投げやりに感じてしまう、そういう塩梅なのだろうぁ、なんとなく。


★メンヘラ系真犯人
ある種、メンヘラに近い感じなのかもしれない、この真犯人は。だからこそ、そんな彼女の前に現れた恋人という存在。心の支えと呼べる存在。たとえ、それが犯罪者であっても、“依存の対象”となってしまっていたのでしょう。

できれば、もっとまともな人間が彼女の前に早く現れて欲しかった。そうすれば、今回のような悲劇は起こらなかっただろうにね。








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