今はもうない (講談社文庫)引き続き再読しています、S&Mシリーズ。

本書には“叙述トリック”が仕組まれている(ネタバレ) そういった部分を再読する前から覚えていたので、少し味気なさというものを感じつつ読み進めるほかなかった。

かなり肝となる部分だと思うので、これは事前情報なしに読まないことには面白味はないのだろうね。でも、ある種ファン・サービス的な感じでもあるから、本書からこのシリーズに入った人にとってはどうでもいい話かもしれないけれど。

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正直、今回描かれた密室殺人に関しては、あまりスッキリした終わり方をしない、モヤモヤが募ってしまう。なので、どうしたって本書ではキャラクターというものを楽しむ以外にないと思う。

そうなってくると、やっぱり叙述トリックの部分にスポットライトが当たって来ざるを得ないものだ。

※以下は、完全ネタバレ・モード


★キャラクターがよく似ている2人
本書の叙述トリックを、初読でなおかつ序盤にわかった人ってどのくらいいるのかなぁ? 今回出てくる“西之園さん”というのは萌絵ではなく睦子おば様だったわけだけど、ほんとビックリするくらいにキャラが似ているものだ。

劇中に“熱いコーヒー”を飲んでいるシーンがあったりするから、そこでもしかしたらピンと来る人もいるのだろうけど、普通の人だとサラッと読み流す感じなのでしょう。

でも、なんだかんだで、本書の“西之園さん”の方が気性が荒く感じるし、お嬢様ではなく女王様然としているように見受けられるので、「彼女はほんとに萌絵なの?」と多少の違和感を持ちつつ読むことにはなるのかもしれない。


★血は争えない2人
それにしても、睦子おば様も殺人事件を何度も経験しているような立ち振る舞いをしている部分が、非常に興味深かったものだ。なぜそんなに手馴れた感じだったのだろう?

普通のお嬢様だったら気が動転するくらいしそうなものの、彼女にいたってはいきなり推理や捜査を始めちゃうんだもんなぁ。もはやミステリ小説マニアどころのレベルじゃないような気がする。

睦子おば様も萌絵と同じように、たくさんの経験をしてきたということなのだろうか? 血は争えませんな……。


あと、笹木(佐々木)さんという人物も良いキャラをしておりました。ちょっとおどけた感じで、多少頭もキレて、コミュ力もあって、ユーモアもある。個人的には、犀川先生よりも好きなキャラかもしれない。







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