月は幽咽のデバイス (講談社文庫)引き続き再読しています、Vシリーズ。

思い込み、先入観、固定観念、そういったものからの脱却を促される、そんな作品だったように思う。とにかく「まさか……」と思わされることの連続だったんじゃなかろうか。

まあ、基本的にVシリーズというのは、スッキリしないというのがデフォなのだろうし、“あらゆる事象に意味を持たせない”ということに念頭を置いているのだろうと思う。

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とはいえ、ミステリ作品を読んでいるからには多少なりとも「何が起こったのか、誰がやったのか」を考えながら読むことになるのは否めない。でも、考えたところで真相に近づくことすら出来なかったわけだけど。


★「思い込み」こそが最大のミスリード
“密室”が出てきた場合、自殺じゃないとしたら殺人であるとミステリ読みの方なら普通は思っちゃうよね。まさか第3の可能性が示されることになるとは思いもよらなかった。

完全にネタバレになるけれど、“事故”だったということなんて全く考えもしなかったものです。

こういう「思い込み」こそが最大のミスリードなのだろうけど、今回舞台となった屋敷がどういった構造になっていたかまでは予め詳しく書かれていたわけじゃないから、正直ポカーンとするほかなかったものだ。

屋敷を設計した人間も一応参考人として登場してきたわけだから、その辺も注意して考えるべきだったのだろうけど、もはや「やられた」としか言いようがない。


★上流階級の方のライフスタイル
さらに言えば、屋敷の地下に猛獣を飼っていただなんて思いつくものでもないし、ほんと上流階級の方のライフスタイルというのは常人の想像をはるかに超えていたということらしい。

普通、家の中で猛獣を飼うなんて有り得るのか? と、どうしても思ってしまう。せめて、庭に檻を作っておくとか、そのくらいの処置をするんじゃないのかなぁ。

でも、上流階級、お嬢様、という時点で普通じゃないということなのでしょう。地下の隠し財産を守らすためにという役割も担っているわけだし、ちょっとファンタジックに思えてしまう。


★女同士のプライドのぶつかり合い
それにしても、今回は紅子&祖父江による“女同士のプライドのぶつかり合い”も凄かったとしか言いようがない。このギスギスした感じが、ほんと読んでいて嫌になってくるものだ。

以前読んでいた時にはそれなりに楽しめていたものだけど、今改めて読んでみると、すごくリアルに感じられてストレスを感じずにはいられない

林さんがもうちょっと2人が顔を合わせないように配慮すべきだと思うんだよね。若干無責任な感じに見えてしまうので、どうにも好きになれないものだわ、林さんてキャラ。







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