魔剣天翔
引き続き再読しています、Vシリーズ。

今回は、裏社会のエージェントのような人物が初登場。そういうこともあってか、改めて保呂草さんもそっち側の人間なんだよなと、少し感慨深く思えたものです。

そして、事件の舞台がアクロバット飛行の中にあったりと、これまで以上にエンタメ色が強かったような気がする(S&Mシリーズと比べてもかなりエンタメしてますな)

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“泥棒”である保呂草さんの本領発揮回という感じなんだろうけど、ものすごく危ない橋を渡っている気がするものだ、ほんとに。

裏社会ではある程度有能であるからこそ仕事の依頼があるということなんだよねぇ? だとしたら、あらかじめこういう人間が警察に全くマークされずに生きてきたというのが不思議な気がしてならない。

警察だって裏社会とのパイプは当然持っているのは言うまでもなく、そういった中で有能で有名な人間のことを知らないということなんて有り得るのかなぁ。その辺が気になってしまった。


警察に感知されずに生きてきた保呂草さん
警察に感知されずに生きていく。だからこそ有能ということなのかもしれない。や、でも保呂草さんて一般の人と比べても警察と接する機会が多いだけに、素性を調べられていないとは考えられないんだよね。

彼は何度これまで事件の関係者として名前が挙がってきたものやら。にもかかわらず、思いっきりスルーされてきたのかなぁ? ま、経歴の詐称くらいはお手の物ということなのでしょう。そういう風に考えて納得するほかないですな。

でも、紅子には早々に素性を看破されたりもしているし、彼女と相対すると彼の有能さがどの程度のものなのか非常に分かりにくいとしか言いようがない。


薀蓄と天才キャラ
それにしても、今回は飛行機の薀蓄がてんこ盛りという感じでありました。のちに「スカイクロラ」が執筆されることになるんだけど、著者の森さんはほんとにこういう作品が描きたくて仕方がなかったということなのだろうね。




そして、その薀蓄を説明ではなく自然と物語の中に織り込むために、紅子という“天才キャラ”が必要不可欠だったのだろうと思わずにはいられない、そんな気がする。

普通のキャラに薀蓄を語らせたら違和感を覚えることも間々あるんだけど、それが天才キャラとなると何でも知ってても不思議じゃないから、ごくごく自然に思える効果がある。

ちょっぴり高尚な文章・薀蓄を書きたいと思ったら、天才キャラというのを1人でも登場させておくと便利なのでしょう(しかし、「その程度の知識で天才キャラなの?」と思われる危険性も当然有り得る)


関係ないけど、ラストでこぶしを地面を叩きつけて号泣する練無(ねりな)が、非常に切なかったものだわ……。




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