六人の超音波科学者 Six Supersonic Scientists Vシリーズ (講談社文庫)引き続き再読しています、Vシリーズ。

陸の孤島と化した研究所が今回の舞台となっている。いわゆるクローズドサークル物。そういったシチュエーションに複数の天才達が……というパターンは割とありがちかもしれない。

ま、ありがちなんだけど、個人的にはこの手の物を“久々に読んだ”ので、なんだかすごく面白く感じたものです。

状況的に犯人自身もどこかへ行くことも出来ない。したがって、危険な状況もずっと続いてしまうという塩梅。そして更なる犯行……、ドキドキせざるを得ないものだ。

【スポンサードリンク】


そもそも研究所という一般世間とは隔絶した世界というものに怖さというものがあるよね。そこにいる研究者自体も何を考えているのやらうかがい知れないし、全ての人物が怪しく見えてしまうのも否めない。


そして、警察は祖父江さん1人しか来られないというのも、なかなか痛かったとしか言いようがないものだ(終盤、立松が来るけれど) 犯人に有利に働くのは疑いの余地はないもんなぁ。容疑者となる人物も多いので、対処するのに骨が折れる。

でも、クローズドサークル物で警察が1人でもいるという状況の方が、どちらかと言えば珍しいのかもしれないけれど。


★殺されかける練無(ねりな)
そんな風に、研究所内を捜査をするにも人手が足りないということで、いつもの4人組も祖父江さんの手助けをすることになるわけだけど、ここでまさか練無(ねりな)が殺されかけることになるとは結構な衝撃でした。

主要人物にここまでの危険が及んだのは、1作目「黒猫の三角」の紫子さん以来なのかな? こんなところで死なすとは思わないけれど、それでもドキリとしてしまうものだ。

そういった事もあってか、犯人に対して大激怒する紅子さん。傍から見たらまだ抑えている方に思えるけれど、彼女からしたら相当感情を乱しているようにも見えたので非常に興味深い。


★紫子のケースと何が違う?
しかし、紫子さんが殺されかけた時にはここまで紅子さんは感情を乱すことがなかったと思うんだけど、今回と何が違ったのだろう? やっぱり、犯人の動機のようなものが関係しているということなんだろうか。

「黒猫の三角」の犯人というのはサイコパスのような感じだったので、危険が及ぶのも理解の範疇だったのかもしれないものの、今回の場合は犯人の目的は殺人とは別のところにあるという点が大きな違いなのかもなぁ、そんな気がする。

なので、殺人というものが介入し得ない場において、練無(ねりな)が危険な状況におかれてしまったことに紅子さんは激怒したということなのかも(もちろん、第一に練無自身を心配してのことではあるけれど)


しかしまあ、Vシリーズの作品にしては珍しく犯人の動機がハッキリした内容でありました。シリーズ中で一番スッキリまとまった作品でもあったように思う。シチュエーションはベタだけど、結構面白かったです。

それにしても、なぜ落語家さんが解説を? 流れ的に超音波の科学者とかだと思ってたのに。








Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation