タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF)一体どんな力が働いて予言が発現されることとなったのやら、そしてタイタンでの目的は何なのか? その辺を考えながら読んでいたわけだけど、それら全てが仕組まれたことであったという事実にはちょっと驚かされたものだ。

ある一つの方向に人類を導いていたかのように見えたラムファード。彼も予言の通りに動いていただけなのだろうけど、彼自身としては能動的に動いているという自負があったはず。しかし、それも最後には打ち砕かれることになり、その絶望感も計り知れないですな。

彼が地球のため人類のためにやったあらゆることが、終いには馬鹿げたことに見えてくる。「これまでのことは何だったの?」と、読んでるこちらもそう思えてしまうね。

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地球の人々を団結させるために、火星との戦争。そして、新宗教により新世界が構築。ここへ来て一気に思想的な話に転換していくと思いきや、とんだ“どんでん返し”があったものだ。

正直、本書のどんでん返しは、驚きよりも切なさの方が勝っているように思う


★数奇な運命という言葉では納得し切れないものがある
主人公コンスタントの数奇な運命。かつて富と権力の象徴として忌み嫌われていたとはいえ、ここまで彼の人生をめちゃくちゃにされているのを読まされると、最後に「全て仕組まれたことでした♪」と言われたとしても、なかなか納得し切れないものがあるんじゃなかろうか。

仕組んだ側というのは、何万年単位で生きることが出来る種族ということもあってか、地球の人類の寿命がどれほど短いかなんて想像もつかないのだろうね。

というよりも、いわゆる“バタフライ効果”で、ここまで色んな人の運命を巻き込んでしまうということに想像がいかなかった部分に怒りさえ覚えてしまう。「お前らくらい発達していたら、いくらでも計算出来ただろう!」と言わざるを得ない。

これにより、地球の人類だけじゃなく、文明的に自由な発展までをも阻害されていたわけだし、怒りを通り越して恐怖すら覚えてしまうものだ

でも、上位生命体にとっては、そんなの瑣末なことなのでしょう、そんな気がする。


★火星での生活が興味深い
それにしても、地球から火星に移り住んだ人々の生活というものがなかなか興味深かった。もう完全に管理社会(ディストピア)になっていたものだね。

まだ、火星という惑星自体にも未知な要素がたくさんあるわけだから、そこに住んでいる人々を一手に管理しとかないと、ややこしいことが起こる可能性があるというのも理解出来る。できるだけ不確定要素を排除するというのは、当然ながら重要なのでしょう。やり方は様々あれど。


そういえば、我々の世界でも実際に火星への移住が計画されていたよね。

【火星移住計画】今後15~20年で地球から火星に8万人を移住って本当に可能 – NAVER まとめ

なにやら2023年から人間を火星に移住させると発表されているようだけど、一体彼らがどんな社会を構築させていくことになるのやら気になってしょうがないですな。

ちなみに、日本人も10名ほど候補者になっているとのこと。火星でも日本のDNAが根付いていくことになるのだろうか。ほんとSFの世界が現実になりつつあるというのも実感させられるものだ。







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