世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)久々に村上春樹でも読んでみようと思って、なんとなく本書を再読。

初読の印象としては面白かったという記憶があったんだけど、今回読んでみて可もなく不可もなくという印象を持ったのが素直な感想。ほとんど内容を忘れていたので、変な先入観なしで読めたものの、それほどハマれなかったものだ。

SFチックな設定は興味深かったとは思うけど、登場してくるキャラクターに魅力を感じることが出来なかったのが痛い。

【スポンサードリンク】


とにかく本書の主人公というのが、人生を達観しているような感じで(言動とか)、とにかく人間臭さがなく、あまり面白味を感じられなかったというのがハマれない大きな要因かもしれない。

(まあ、村上キャラって概してこんな感じだったっけ?)

死(不死)を受け入れようとする現実と、生き抜く術を見付けようと努力する非現実という対比があって、それで現実の方を斜に構えた主人公にしたのかもしれないけれど、事の重大さを考えたら「やれやれ」なんて言ってる場合じゃないぞと思わずにはいれなかったなぁ。


★主人公もすでに心がなかったんじゃないか?
現実世界に生きる主人公が、非現実、言わば“世界の終わり”に住んでいる“心のない住民”と同じように見えてしまう。最終的にはそうなってしまうというのがお話の流れなものの、すでに心がなかったんじゃないか? と、若干そんな風に思いつつ読んでしまった。

主人公と同じように、シャフリング能力を身に付けた25人は訓練終了後の1年半のうちに死んでいるらしいし、主人公自身も片足を棺おけに突っ込んで生活していたんじゃなかと思えてならないものだ。

そのくらい、ほんと人間味の薄い主人公というイメージしか持てなかった気がする。過去の記憶も抑圧されていたような描写もあったと思うし、計算士になるための手術によって“意識だけの人間”になる階段をすでに登りつつあったのかもしれない。


★“やみくろ”ってなんなんだ?
それにしても、「組織」(計算士)、「工場」(記号士)、やみくろ、といった風に、複数勢力が出てきたにも関わらず、大して掘り下げなかったというのが残念でならないです。

特に“やみくろ”ってなんなんだ? と、考えずにはいられない。人間ではなさそうだし、何から進化した生き物なのやら気になるものだ。

宗教というものも持っているみたいで、その辺は人間的な感じではあるよね。まさか、本書に登場してきた博士とかが人体実験などをした成れの果てがやみくろだったり? なくはないと思う。







Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation