宝石泥棒 山田正紀
序盤の雰囲気からして、オールディスの「地球の長い午後」に似ているなと思いつつ読んでいたんだけど、あとがきにて“触発された”と書かれていたので少しスッキリしました。

自然の強大さ、ちっぽけな人間達、そういったことを思い知らされる。

しかしあれだなぁ、自分としてはSF作品を購入したつもりでいたのに、思いっきりファンタジックな物語が展開されていて非常に困惑。怪物&化物のたぐいも登場するなど、中華ファンタジー、それこそ「西遊記」っぽくも読めてくるものだ。

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よく王道ファンタジーなんかでも、度重なる試練が舞い込んできて、その都度解決していくというパターンが多いと思うんだけど、本書もそんな感じだったように思う。

ピンチと解決の繰り返し。まあ、分かりやすくて良かったのかもしれない。


終盤になり一気にSF的な展開へ突入!
そして、終盤になり一気にSF的な展開へ突入! この世界の理というものがついに明かされる時が来てしまった。「ようやくか」という思いと同時に、真実を知るのが怖いという思いがない交ぜになってしまうものだ。

主人公の行動はすべて何者かによって仕組まれたこと。誰かの手の平の上で踊らされていたという衝撃的な事実。やっぱりそうなのかという気持ちもあるけれど、なかなかショッキングなものです。


ネタバレしてしまえば、本書は“ロストテクノロジー”物であったわけで、今ではこういったネタは溢れかえるほどあるのだろうけど、本書が書かれた35年以上前だとワクワク感は相当なものだっただろうなぁ(ナウシカが描かれる前だしね)

ほとんどの人が自給自足で暮らしているような世界観の中で、ビートルズの音楽が流れてくるという狂気さは素晴らしいものがある。


JRPGにおけるSF転化
それにしても、ゲームとかだとファンタジーが終盤に来てSFに転化してしまうJRPGが少なくなかったりするんだけど、このパターンは個人的にはほんと嫌いなんだよね。物語の終わらせ方に苦慮したあげくの“逃げ”に思えて仕方がないのです。

それだったら、予め伏線も用意しておけよと思うんだけど、割と唐突なものが多いから性質が悪い。そんなことだから、JRPGでシナリオが評価されているものが少ないわけだよ……。


本書の場合は、改めて思えば序盤からSF的な伏線がちりばめられていたようで、その世界観がよく練られていたものだと感心してしまう。

まあ、SF作家さんが書いた小説なのだから、そんな行き当たりばったりでSF展開になるわけがないか、当たり前だけど。




宝石泥棒 (ハルキ文庫)
山田 正紀
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